すっとこどっこい

ジョン・レノン 失われた週末のすっとこどっこいのレビュー・感想・評価

5.0
これまたビートルズ・スピンオフ傑作ストーリー!!!ビートルズと関わりを持ち、マジカルな季節を過ごしたメイ・パンという中国系ニューヨーカーの*ラブストーリー*!誤解してはいけないのは、これはメイ・パンの青春ラブストーリーであって、ジョン・レノンの真実の物語ではないということ。たしかにどうしてもジョン・レノンの知られざる一面を探してしまうの!加害者オノ・ヨーコ、被害者ジョン・レノンというビートルズ・ストーリーと結びつけたくなるの!分かる!よく分かります!でも、でも!!それはまた新たな間違った物語を生んでしまう。歴の浅いビートルズファンでももう知っている。要はどこをどう切り取るか。レット・イット・ビーとゲット・バックを観て、おら分かっただ。切り取り方一つでここまで印象を変えることができる。だから、この映画でまた都合のよいビートルズ・ストーリーを創り出すのはやめよう。そんなことよりこの映画の魅力にどっぷり浸かろう。この映画の一番チャーミングなところ、なんといってもメイ・パンの瑞々しさ、運命を切り開く突破力、そして(ノーアルコール、ノードラッグも大いに影響しているであろう)飄々とした振る舞いとこれでもかと口角を横に引っ張ったはちきれそうな笑顔。こんなエネルギーに満ちて、豊かな感情が湧き上がってくる青春を過ごしている人を見ると、羨ましくなる。そして、一番観客を幸せなムードに包むのが、現在も自分らしさを失わずに、ジョン・レノンと関わることで生まれた関係を大切に持ち続けながら、幸せな日々をメイ・パンが送っていること。ビートルズと関わることで人生が狂ってしまった悲しい人が多くいる中、光り輝く人生を見せてもらえる。今年の夏はサングラスはメイ・パンのモデルで決まりよ!!