トラペジウムのnkのレビュー・感想・評価

他者を手段としてのみならず同時に目的として捉えよと言ったのはカントだが、ショービズの世界じゃそんな眠たいことは言っていられない。善意も友情も踏み台にして高みへと昇ろうとする少女の運命は如何に。
本作は演出が手堅く、時間の処理や小道具の使い方もこなれている。よくできた映画といっていいだろう。ただライブシーンの出来栄えはいただけない。ラストシーンは、ああ終わらせたかった気持ちは理解するものの、やや説明的で余計だったかもしれない。