PSYFIくん

トラペジウムのPSYFIくんのレビュー・感想・評価

トラペジウム(2024年製作の映画)
3.6
個人的に東ゆうは別にサイコパスではないと思っていて、他人を躊躇なく利用する狡猾さはあれど未熟で不測の事態に翻弄される小娘として描写されているし、当初の目論見はきっちり挫折している。その上で動機は不純でも手にした繋がりは本物だと確かめ合い、「宿題」としていた作詞を完成させて互いの道を歩き出す落としどころは青臭くも切ない青春の終わりという感じで素直に良かった。
ところでそもそも映画を観に行ったきっかけは舛成孝二がクレジットされているからなんだけど(スーパーバイザーって何するの)、東西南北が瓦解するシーケンス(ここだけ異様にけろりら絵すぎる)は正しくアニマス23話(絵コンテ:舛成孝二)を彷彿とさせる。天海春香と東ゆう、性格は真逆ながら「みんな一緒にアイドル」に拘った両者が決壊する、ともすれば偏執的な美学に思いを馳せる。