センチョウ

トラペジウムのセンチョウのレビュー・感想・評価

トラペジウム(2024年製作の映画)
4.1
賛否両論ありそうだが、個人的には傑作だと思った。
まず主人公のキャラがいい。
打算的なんだけど、荒唐無稽な計画を本人なりに必死に努力して積み上げていくところはこういう子がアイドルになるよな、という説得力を感じる。
明らかに周りのメンバーの様子が見えていないところや言葉が足りないところなど、きちんと欠点が書かれているところに好感を感じたし、お母さんから、いいところも悪いところもあるとはっきり言われたシーンはよかった。この一言で主人公は救われたと思う。
他の子達もしっかりとキャラが立っていて、物語の展開に違和感がない。
話にちゃんと起伏があって物語に飽きないので原作は読んでないが、スゴいと思った。
私は「アイドル」にあまり詳しくないし、強い思い入れがある方ではないが、自分が女の子に生まれたら、きっと一回は真面目にアイドルになることを夢に見ていた気がするし、アイドルを目指す女の子のナチュラルな狂気みたいなものを観れたのもよかった。
考えすぎかもしれないが、1人の人間の人生を物語にして消費していく、という行為は望む本人も関わる人も業が深いような気がした。
ぜひ、「アイドル」に関して思い入れがある人の意見も聞きたいと思った。