もぶ

トラペジウムのもぶのネタバレレビュー・内容・結末

トラペジウム(2024年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

主人公キャラとしては珍しいタイプ。10代特有の未熟さと夢を叶えるという強い執着を表しているのかもしれない。
舌打ち、物を蹴る、会議中のスマホなど問題のある言動が多いが、それほど真剣でアイドルになることだけが彼女にとって重要だったとも捉えられる。
そんな主人公が友達を通して成長する物語…かと思ったが、そこまで主人公に成長は感じられなかった。アイドルになるまで諦めないという強い意志は相変わらず持っていたが、特に変化は見られない。理解力のある友人がいて良かったねという感じだ。
序盤は彼女の友人への接し方や、ボランティアの利用の仕方がかなり鼻につくが、小賢しいところは現実味がある。それに友人への不誠実さを取り繕わなかったのは好ましい。
賛否両論のある主人公だとは思うが、個人的には最後までその性格と信念を曲げなかったのは良かった。

SNSが発展した現代のアイドルだからこその苦痛や悩みが描かれていたのも興味深かった。恐らく2ch、twitter、TIKTOKなどが使用されていたが、SNSが発展しているからこその利点と欠点が上手く物語の中に散りばめられていた。

やはりcloverworksの作画は素晴らしい。
OPや初ステージでの手描きとCGの融合はとても美しかった。Aメロまではステージを撮るカメラマン達も描きながら、曲のサビでは彼女たちだけを様々な角度から映し、カメラ越しに見ているという錯覚を起こした。
光の反射や建物などの背景にも力を入れていて、思わず見蕩れてしまう。

小説を読んでいないので分からないが、トラペジウムの意味を軽くでも物語内で説明してくれると親切だと思った。
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