TB12

シビル・ウォー アメリカ最後の日のTB12のネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

何かに盲信して突き進む事の愚かさ。
リベラルだの保守だのアンティファだのプラウドボーイズだのそんなくだらない事どうでもいい。

銃や政治やイデオロギーを一旦横に置け、対話しようぜ、俺達同じアメリカ人じゃないか、そんな断末魔が聞こえてくる作品だった。

ガーランド本人もジャーナリストを目指してたらしく報道の重要性を改めて問う内容にもなってる。

伝えたい事は理解出来るし(映画って理解出来ない方が面白いんだけどね)それなりに上手くまとめたなという印象だけど生温い作風なのもやや否めない。

自身のイデオロギーを出さずに相反するテキサスとカリフォルニアを組ませたり説教臭さを限界まで抜いたのは素晴らしいのだが正直だからなにって映画にも感じてしまったな。
メリハリを出す為&アメリカ全土をTWDのように見せる為にロードムービーにしてるのも分かるけどやや緊張感に欠ける作り。

リベラルに偏りがちなハリウッドでバランスを取ろうとする作品が増えてきてるのは良い事だけど今作に関しては少し無難すぎる気がした。

この手の題材の作品にはもっと映画ならではの表現で圧倒されたいのよなあ。
地獄の黙示録やシンレッドラインやはたまた炎628やハートロッカーなんかに比べれば今作は大分優しい作り(戦争映画と比べるのはちょっと違うかもだけど)

とは言え見る価値は大いにあり色んな意味でアメリカという国家の底力を感じさせる作品でもある(作った監督はイギリス人だけど)

かつてソフィア・コッポラのミューズであったキルスティン・ダンストが今作の撮影を経てプリシラ役を探してたソフィアにケイリー・スピーニーを推薦したとの事で劇中同様後輩に引導を渡してる構図も中々興味深い。

それとジェシー・プレモンスが少ない出番にも関わらず映画をかっさらっていて素晴らしかった。
偽マット・デイモンなんて笑われてたブレイキング・バッドの頃が懐かしい。
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