オトメチカ

シビル・ウォー アメリカ最後の日のオトメチカのレビュー・感想・評価

4.0
自国民どうしで削りあう内戦の虚しさを、ジャーナリストの目で見るシビアでブラックな話、と同時に戦時下ロードムービーであり、ひとりの戦場ジャーナリスト(ある意味業)が爆誕するまでの話でもあり。
高校の同級生吊るしてる惚けた顔のあんちゃんとか、誰かわかんねーけど撃ってくるからこっちも構えてんだよの完全武装あんちゃんとか、もはや何と戦ってんのかわからん勢に、自爆テロに巻き込まれたであろう赤ちゃんとキャンプで走り回る子どもたち、あー世界のどこかで今この時もある風景だ、とおもっっくるしい気持ちになった。あと予告でも出てるジェシー・プレモンス演じる民兵なのか自警団なのか、こいつ絶対話通じないわ感すごくて観てるこっちも尻がキュッてなりました。2週連続で見てるな。いい俳優さんだね。そしてキルスティン・ダンストの色々場数踏んで擦り切れたような目、腹の据わった表情、素晴らしかった。
ひとつのifからシミュレートした自国の分断を皮肉に丁寧に描くこの感じ、『ドント・ルック・アップ』をちょっと思い出した。あれより全然笑えないけども。人間を殺した横でにこやかにファインダーにおさまるのってよく考えなくてもおかしいんだからな!?
オトメチカ

オトメチカ