076/2024
「シビル・ウォー」というタイトルを聞いて、あーまたマーベルのアレでしょ?と思ってスルーしかかってました。
別の作品なのね。
つーか「エクス◦マキナ」のアレックス◦ガーランドじゃん!
そうと知ってたらもっと早く観に行ったのに。
極音上映で観たせいか爆発音や銃撃音が思いの外凄まじくて何度も仰け反ってしまった。
匂いまで漂ってきそうな、本当に戦地に身を置いてるかのような圧倒的な臨場感が凄まじく、途中恐怖からくるそれなのか、涙が滲んできたほどだ。
赤いサングラスの男(ジェシー•プレモンス)のシーンは次の瞬間には殺されているかも知れないというヒリヒリと焼けつくような緊張感が怖かったなー。
関係ないけど、前回のアカデミー賞授賞式のロバート•ダウニーJr.のキイ•ホイ◦クアンへの態度を思い出し、そりゃ東洋人なんて問答無用で撃たれるよなあ…なんて考えたり。
けたたましい挿入曲のも気狂いじみていて怖かったなー。
ワシントンD.C.のシーンはまるで悪夢をみているようだった。
状況や設定が説明されないまま話が進んでいく不安。
そもそも何が原因で勃発した内戦なのかの説明すらなく、描かれるのは行く先々で目の当たりにする混乱と狂気。
現場レベルで今どう行動するかが全てというところにはとてもリアリティを感じた。
なぜ状況や設定が示唆されなかったのかと考えたとき、逆にどういう原因がアメリカ内戦を引き起こさせる可能性になるんだろうと考えた。
それはもしかすると共和党と民主党による党派制が原因かもしれないし、経済格差、移民問題など今アメリカが抱える数々の分断が考えられるんだろうな。
今作の日本人にわかりにくいポイントとして、有事の際であってもリベラル派カリフォルニア州と保守派アラスカ州が協力しあう可能性が極めて低いことや3期連続で大統領を在任しているという設定の時点でアメリカ人ならすぐにフィクションとわかるという記事を読んだけど、敢えてそうしたことも上に書いたような原因を観客に想起させるのが目的なのかもしれない。
(単に具体的にしないことで政敵による炎上を避けただけかもしんないけど)
強烈な作品だったので見終わった後なかなか現実に戻れなくてラストのケイリー•スピーニーのような呆然とした気持ちで帰路につきました。
先日まで「ガンダムSEEDデスティニー」を夢中で観ていたのだがなんだかそれらが青臭く思えてきた。
(否定している訳じゃないよ)
実写なので当たり前と言えばそうなのだけどなんだか現実的すぎて面食らってしまった。
これは紛れもない実写の力。
アニメしか観ないという人にはぜひ観てほしいですね。