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ブルー きみは大丈夫のJIZEのレビュー・感想・評価

ブルー きみは大丈夫(2024年製作の映画)
3.5
孤独な少女と幼い子供だけに見える不思議な存在”ブルー”を巡るファンタジーでかつて友達だった子供たちに忘れられ消えゆく運命にあるブルーたちを救おうとする少女の冒険を描きだす。”記憶は思い出の中で甦る”。本日TOHOシネマズ先行試写会にて、一足先に鑑賞した。原題の「IF」は”空想の友だち”。紫色のモフモフしたブルー筆頭に彼等たちのファンタジーが全編で描写されるのかと思いきや、主体のピントは主人公の少女の成長と冒険に当てられ、現実と空想を絡めた手垢は、まずまずの手応えを感じる。またジョン・クラシンスキー監督の作品では前回の『クワイエット・プレイス2(2021年)』以来で、こういうポジティブサイドの作品を創造するイマジネーションに溢れた監督の多彩性も改めて発掘する。最近 流行りの子どもにしか姿が見えないイマジナリーフレンドものに、表現力や奥行きをプラスさせ新たな一石を本作品は投じる。デップー…もといライアン・レイノルズの出演だけでも豪華だが、声の出演でスティーヴ・カレルやマット・デイモン、オークワフィナなど作品に懸ける思いを実感。マイナス面でストーリーの全体の牽引力の弱さや、作品最大のキーパーソンのライアン・レイノルズ演じる隣人の終盤で明かされるある事象に対する設定上の辻褄の合わなさは生じるが、みんなハッピーでオールオッケー!の迎合するムードが押し寄せ、イマジナリーフレンド映画としてのエッセンスで我々を感動の渦に導いてくれただろう。
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