MasaichiYaguchi

RHEINGOLD ラインゴールドのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

RHEINGOLD ラインゴールド(2022年製作の映画)
4.1
「女は二度決断する」「ソウルキッチン」などで知られるドイツのファティ・アキン監督が、実在するラッパーで音楽プロデューサーのカターの破天荒な半生を描く最新作は、音楽映画、青春映画、そしてクライム映画がハイブリッドしたエンターテインメント作品。
クルド系音楽家のもとに生まれたジワ・ハジャビは、亡命先のパリで音楽教育を受けた後にドイツのボンに移り住むが、両親の離婚により貧しい生活を余儀なくされる。
或る日、街の不良たちに叩きのめされた彼は復讐のためにボクシングを覚え、「カター(危険なヤツ)」となってドラッグの売人や用心棒をするようになる。
更に金塊強盗にまで手を染めて指名手配された彼は、逃亡先のシリアで拘束されてドイツに送還され、刑務所内でレコーディングした曲でデビューを果たす。
タイトルの「ラインゴールド」は、リヒャルト・ワーグナー「ニーベルングの指環」の序夜「ラインの黄金」を指していて、これから作られた指輪を手にした者は、"限りない力"を手にすることを意味する。 
この話からインスパイアされたドラマが、ラストに向かってジェットコースターのように展開されていきます。