めちゃくちゃ面白かった。ファティ・アキンの最高傑作、というか集大成的ですらあると思う。最近見にいく映画悉く乗れて嬉しい。
ラッパーの伝記映画、の中で、ジャンルレスな感覚でドライブしていくエネルギッシュな映画。出鱈目な豪快さが魅力だし、こういう映画久しく現れてなかったとすら思う。
引きの横移動で映す暴力描写、長回しにPOVと、撮影スタイルも転換していくのに気持ち悪くもないし、これ見よがしにもなってない。これは純粋に新人ではなく、ファティ・アキンのようなキャリアを積んできた人間が撮ることによる安心感な気もする。貪欲だけど、それが小っ恥ずかしさとか粗に繋がってない。基本がクレバーな映画で気持ちいい。過激なのにすごくウェルメイドな映画でもあると思う。誰が観ても分かるであろう面白さと刺激がある。
