もぐら

ゴジラ-1.0/Cのもぐらのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0/C(2023年製作の映画)
2.9
オリジナル版を鑑賞した際にわざとらしい演技をさせられる役者の皆さん、面白味のないドラマの内容にガッカリして
ゴジラが登場するシーンには大興奮した僕ですが、今回の『ゴジラ-1.0/C』を鑑賞していて正直モノクロの意味ないなあと感じてしまいました。

冒頭モノクロに違和感を覚えたのですがすぐに見慣れることが出来ました。
しかし、序盤のゴジラ登場シーンを迎えると「ん?ちょっと分かりにくくないか?」と感じました。まあ、夜のシーンだし仕方ないよなと思っていたので、気にすることなく余り面白いとは思えないドラマパートを観ていると、
オリジナルのカラー版よりも観やすいかも知れないなと感じられました。
色が強調されないことでわざとらしい演技も薄めて観る事が出来た様に思えます。
(ただ今作を鑑賞する事が3度目だった為、慣れてしまった。という事も大いに考えられます。)

そして今作の山場である銀座を襲撃するゴジラのシーン。
やはり怖い。4DXでもない、公開されある程度の期間が経った為それ程大きなスクリーンでもないもののゴジラが暴れ回し迫り来るシーンは恐怖を感じました。
しかしモノクロ版だからか分かりにくいシーンが散見。「今どうなってんだ?」と思ってしまうシーンもチラホラ。
海中を泳ぐゴジラが戦艦の下を流れる様に泳ぎ通り過ぎるシーンもモノクロになってしまっている為分かりくい。
ゴジラが黒色の体をしている怪獣なので分かりにくいシーンが多々ある。

1番勿体無いなと思ったシーンは主人公敷島が乗る小型船がゴジラに追いかけられ、機雷をゴジラの口内で爆発させた後のゴジラの吹き飛んだ顔面が再生していくシーン。
序盤に訪れる見所のひとつてあるはずのシーンがモノクロによって殆ど何が起きているのか分からない。
オリジナルのカラー版を観ていたから理解出来るものの初めにモノクロ版を観ていたら何が何だか分からなかったと思います。
ドラマパートで言えば安藤サクラさん演じる澄子が敷島に嫌味を言うシーン。
少し遠くの場所でセリフを発するのですが、瓦礫と澄子が同化してしまって何処で澄子が喋っているのかが分かりませんでした。
探してようやく何処で誰が喋っているのか理解出来ましたが、このシーンそんな無駄な労力を使うシーンではなかったはずです。

鑑賞中に「この作品はモノクロで観ることを前提とはしていない作品からかモノクロにしてしまうと分かりにくいシーンが多々ある。モノクロにした意義が感じられなく、カラーで観たい。」と感じてしまいました。
またモノクロにすることによってCG然してしまっている様なシーンも見られ、残念でした。

モノクロ映画の時代に観客が分かる様な映像にすることの大変さを感じさせられた1本でした。
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