枯葉

ゴジラ-1.0/Cの枯葉のレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0/C(2023年製作の映画)
5.0
これはゴジラ史上最高傑作かも知れない。
一番最初のモノクロの名作ゴジラに対するオマージュもあちらこちらに見られるが、何よりも現代の演技派俳優達が戦後それぞれが抱えていた心の傷を見事に描き、それをゴジラという架空の生物に絡める形でしっかりした物語を作り上げていた。
主演の神木隆之介さんやその他の名俳優陣はもちろんのこと、浜辺美波さんが昭和初期の日本の女優さんを彷彿とさせる演技を魅せてくれ素晴らしかった。
今の日本の若手女優さんでこんな時代背景が似合う人なかなか居ないだろう。
あと整備士の橘さんを演じた青木さんや機雷除去の3人のメンバー達はあらためて本当に良い俳優さん達だと思ったし、戦後の儚く尊い女の子像を見事に演じきったアキコ役の子役の上手さも驚きだった。
そしてお隣のおばさん役を演じた人も戦後の荒んだ心と本来の優しさを短時間で本当に上手く表現していたと思う。
ラストの絶望がゴジラの神懸かった恐ろしさをまた引き立てている。
いや・・・もしかしたらこれは圧倒的な再生能力を持つ神の化身でもあるゴジラに生かされたのか・・・?
いずれにしてもこれが海外で高く評価された事が嬉しい。
カラー版もモノクロ版も観たがモノクロ版の方が時代背景をより強く感じさせてくれて心を打つものがあったので個人的にはモノクロ版の方が好きかも知れない。
是非、両方観てその伝わり方の違いを感じて欲しいと思う。

P.S.
序盤の小さなゴジラはジュラシックパークのティラノサウルスを彷彿とさせるものがあり巨大化したゴジラとは別な恐ろしさを持ってるので一見の価値有り。
ただ、あれだけ肉食動物系の歯を持ってるゴジラが決して人を食べないのは違和感があった。
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