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スオミの話をしようのd3のレビュー・感想・評価

スオミの話をしよう(2024年製作の映画)
3.7
相手によって見せる顔を変える。程度の差こそあれど誰しも身に覚えはあるはずだ。
相手の望むものを与えることが上手いコミュニケーションだと言われるくらいであるから悪いことではない。しかし、あまりに変えすぎると、本当の自分とのあいだで自我についての混乱が起きることもあるだろう。

三谷作品の登場人物は我慢しない。言いたいことを言い、やりたいように振る舞う。それでも関係性が壊れることはない。
どのような困難やトラブルに巻き込まれても前向きに捉えて自分のなかで整合性を持たせる。そこが傍若無人にも見える主張の強さの裏付けになっている。

あまり身近にいてほしくないキャラクターの姿は、「アハハ、そんなわけないだろう」と笑わせながら観客に勇気を与えてくれるのである。
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