森、水、音、人形遊び、斧、どこか童話的でありながら、しっかりと根を張った安定感のある物語の運び。主人公が一言も言葉を発することなく、尚且つ、周りの人もそれほど雄弁でもない中で、一音一音と着実に言葉が積み重ねられていく。
ショットは主人公の芝居を中心にしっかりとカメラで登場人物を追いながら表情を見せてゆく。状況説明というよりも、しっかりと人物の顔を見せ続けているような印象。
ピアノの音をソースミュージックからアンダースコアにシームレスに繋いでいくなど、過度な音楽は足すことなく、作品の佇まいをしなやかに強固に支えていた。
