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プラットホームのmasayaanのレビュー・感想・評価

プラットホーム(2000年製作の映画)
3.5
プラットホーム。それは旅立ちと帰郷の舞台であり、始まりと終わりの舞台であり、別れと再会の舞台である。しかし、ジャ・ジャンクーの00年作『プラットホーム』において、プラットホームとは流行のポップ・ソングの中でのみ現れる象徴的な概念でしかない。かつては体制側への思想的動員の役割もいくらかあったかに見えるものの、時代の流れの中でその役割を終えた若者たちの劇団にとって、別れも再会も、旅立ちも帰郷も、なんら劇的な装置を介することなく訪れる。つまり、まったく映画的な舞台であるはずもない中国の地方都市に生きる名もなき若者たちが、しかしそれでも素晴らしい構図や距離、そして光と暗がりの中で映画として切り取られていく時、思わず息を呑む。音楽が素晴らしい。
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