masayaan

アベンジャーズ/エンドゲームのmasayaanのレビュー・感想・評価

2.5
サノスとは何だったのか・・・というくらいの、少年漫画のラスボスにいかにもありそうな古典的「リセット思想」と、アントマンとは何だったのか・・・というくらいの「過去に遡って悪事を食い止めよう」的タイムマシン設定。億単位の人間が一瞬で死んだり生き返ったりするのはマジでドラゴンボールだなと。あまりにも、あまりにもすべてが使い古されている・・・・。大義のために自分を犠牲にできる「男性性」、そしてアメリカを愛する人たちのための映画だなと。

『ダンケルク』にも観られた、古典的なトロリー問題を何度も何度も何度も繰り返して、最後は爆弾級のヒロイズムだ。世界は(トランプではない)自己犠牲のヒーローに飢えている、そしてそれを演出する物語にも、ということなのだろう。か? まあ、ヒーロー映画標榜映画だから当然といえば当然なのだけど、「ベジータも改心して、最後はいい奴だったよなあ」的な域を全く出ていないのでは・・・。そう、あまりにも、あまりにもすべてが使い古されている。

おまけに、大資本のポリコレ対策とは何だったのか・・・というくらい、徹底した「男の子」中心の妄想世界観にいよいよゲンナリ。途中、「マジで男しか生き残らなかったな~」という強烈な違和感が一転、終盤に来て女戦士大集合、「とりあえず全員生き返らせて揃えときました!!!尺足りなくてスミマセン、なので一気に行きます!!!いい子揃えといたんで自由に使っちゃってください!!!」的な玩具的扱いでさらにぶり返して爆発。これを搾取と言わずに何というのだろう。トホホ・・・。

全般的に、困ったらマジックアワーの背景を映し込んで、感動シーンにはストリングス入れておけばみんな泣いてくれるヨネ、という手抜き演出に二度ゲンナリ。アイアンマンが新しいヒーロー像を提出したなんて嘘だね。感動演出の構造は、要するに普通の戦争モノだ。つーか、もっと単純に、「ベストコンディションの確変状態の最強の相手」を倒していない時点で、子供向けの超人バトル漫画としては及第点に達していないと思うけど、どうなんかな。もしくは、石抜きの普通のタイマンをどうにか用意するとか。最後の乱痴気騒ぎ大乱闘は、これなら別に『クローズZERO』で良くない?と思ってしまったよ・・・。

関連作12本くらいの経験では分からぬ何かがきっとあったのだろう。勉強不足でスミマセン。と、ここまで書いて、やっぱり投稿するのやめようかと思いつつ、まあ、いいか。さらばだ、アベンジャーズ。長年お疲れ様でした。
masayaan

masayaan