最高につまらなそうな邦題(スター・ウォーズのEP1っぽい)に反して中身は結構革新的なホラー。
ホラー映画は何を恐怖の対象とするかで作品の完成度が大きく左右されるジャンルだけど、この映画はその舞台で怖がらせにきている。何といっても、時代設定が今から45000年前の石器時代という斬新さが大きな特徴。
基本的人権も近代社会も法律も司法も行政も存在しない!これ以上の恐怖はないかもしれない。だって、この世界自体が究極の自己責任だし自分を守るべき概念がどこにもないから。
一応謎の獣が共通の敵として出てきはするけど、一番恐ろしいのは迷信に基づくミソジニーと権威主義。それらが支配するコミュニティに疑念を抱いたり排除の対象となる2人が後半の主役になるのはリベラリズムを是とする制作側の姿勢が表れていて信頼できるし、多少オチが弱くても設定に既視感がないというだけでそこまで気にならない。
見放題だったら文句なしにおすすめできる映画。