千里

ゆるしの千里のネタバレレビュー・内容・結末

ゆるし(2023年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

トレイラーに惹かれて鑑賞。宗教二世を題材にした作品。恥ずかしながら宗教二世という言葉自体初耳だったくらいなのだけど、なかなかにヘビーな内容だった。

宗教にハマった親の元で育った子供視点での物語なので、宗教家庭と所謂世間一般との板挟みの辛さが凄い。本作の場合はいじめや強姦と、学校側(生徒は勿論教師も)にもかなり問題があるとは思うが、辛い目にあった娘に対しても宗教優先な母親の態度には怒りの感情で一杯になった。

そもそもを辿れば母親ときちんと向き合わなかった祖母のせいというところも大いにあるとは思う。祖母も母親も、それぞれの娘ときちんと向き合わなかったからあんなラストになってしまったのかな...。

一見現実とかけ離れた世界にも見えるけれど、主演兼監督の平田うららさんのように実際にこういった事情をお持ちの方がいらっしゃるというところに衝撃を受けた。現実なんだと。

舞台挨拶は、主演兼監督・脚本の平田うららさんと、お笑い芸人であり今では西東京市の市議会議員である長井秀和さんの対談。映画の内容にはほとんど触れられない変わった舞台挨拶だったが、創価学会にいた頃の過激な体験談なんかを伺えたので、これはこれで面白かった。あと主演兼監督・脚本の平田うららさんはまだ22歳とのことだけど、話してる内容や話し言葉なんかを聞いても30代の自分よりも全然頭も良くて色んな経験をなさってるんだろうなというのが伝わってくるくらいには賢い方なんだなと思った。
千里

千里