ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉の栗宮のネタバレレビュー・内容・結末

CygamesPictures制作のウマ娘アニメシリーズということで、『ROAD TO THE TOP』の続編的な立ち位置の本作。時系列もナリタトップロードやテイエムオペラオーの次の世代を描いており、『RTTT』が好みだった身として期待を抱いて鑑賞した。
なんといっても画面作りのクオリティに舌を巻く。迫力と外連味溢れる作画は流石のCygames Pictures。ともすれば単調になりがちなレースシーンは、工夫されたカメラアングルや演出で退屈さを感じさせない。コメディシーンの崩しに崩したキャラ作画は勢いや面白さに拍車をかけていた。アグネスタキオンのレース無期限休止会見シーンからは赤を強調した暗いライティングが目立ち、息苦しさや緊張感が十分に演出されていた。
「一線を退いても自分の脚で走り続けたい」というウマ娘の本能を、一度は引退したものの再度勝負服を着て再始動したフジキセキ・自分はレースから降りて他のウマ娘に代わりを担わせようとするも……のアグネスタキオンという2つの目線から表現していた。今までのアニメシリーズとも違う観点のテーマであり、新鮮に映る。それ以外のウマ娘にも勝ちたい理由があり、夢や目標のために全身全霊で駆けていく様を泥臭く描いており、熱いスポ魂ものとしても高クオリティ。
本筋には絡まないキャラが背景にたくさん登場していたのも嬉しいファンサービス。『ウマ娘 プリティーダービー』の映画として100点満点の出来と言っても過言ではないのではないだろうか。