しんゆう

不死身ラヴァーズのしんゆうのレビュー・感想・評価

不死身ラヴァーズ(2024年製作の映画)
4.7
観終わって鳥肌が立つ映画はよくあるけど、オープニングから鳥肌が立つ映画は珍しいです。

人が好き合うって、相手がどうだからとかじゃなく、自分が勝手に相手を好きで、そして相手もたまたま自分のことを好きっていう、すごい偶然があって起こる奇跡的なことなんだなって気づかせてくれます。

観終わったあとジワジワと涙が出た。
感動でもなく悲しみでもなく、なんかいいなって。

ネタバレになるかもだけど、ほとんどの人が『今日は昨日の続きで、明日は今日の続きか』(町田町蔵)みたいな毎日を送っている中で、この二人だけは今日を生きてますよね。
そこら辺が涙が出る理由かも。

見上愛(みかみあい)さん、初めて観たけど、すごい役者さんっていっぱいいるんですね。
パンフレットにあったけど「同じ時代に生まれてきて、俳優をやっててくれてありがとう」って思う役者の一人です。

『37セカンズ』でも印象的なお母さんを演じていた神野三鈴さんが、やはり芯の強さを感じさせる母を演じてました。

主人公を見守る青木柚さんも出過ぎず引き過ぎずよかったですよね。
どこかで観たと思ったら『うみべの女の子』でしたね。
でも全然印象が違うからプロだなぁって。

松居大悟監督の前作『ちょっと思い出しただけ』(ド名作、主演伊藤沙莉さん)も好きな人の不在を描いた映画でしたけど(永瀬正敏さんがいいんだ!)、この映画はまた違うアプローチで好きな人の不在を描いてますね。

原作と映画はだいぶ違うらしいけど、原作も読まなきゃと思いました。
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