サブストーリーも充実していて、どちらにでも話を盛り上げられそうな内容だったので、メインストーリーがロマンスになったのは少しありきたり...
と思ったのも束の間。今作も、ここ数年で個人的に気に入った映画群と同じく、フィクションを通じて「出会い直す物語」の類型。18歳と39歳という設定も絶妙。どちらも大人ではあるけれど誰かが必要で、ケアをし合う描写が尊い。
18歳の危うい青春期に対して助言するシーンも、39歳が悲しみから立ち直るシーンも、クィアの流動性の話も、そもそも青く澄んだ晴天のようなクィア描写も、89分という短い間に手際よく流暢に物語られていて気持ちがいい。