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ポップスが最高に輝いた夜のmikaramuのレビュー・感想・評価

ポップスが最高に輝いた夜(2024年製作の映画)
4.0
リアルタイムのウィー・アー・ザ・ワールド当時は洋楽チャート好き中学生でした。楽曲自体は当時からあまり好きではなかったですが(個人的にはバンドエイドの方が好み)、各シンガーの歌い回し個性のぶつかり合いはもちろん鮮明に覚えてます。
(当時出てたメイキングビデオは買えなかった)

当時から40年後、社会人生活の垢と埃を浴びまくった今見ると、レコーディング裏方スタッフ、プロデューサー達の苦労が手に取るように理解できて非常に味わい深い。段取りとトラブルマネジメントこそショウビズの要諦…でもこれだけ演者いたらやっぱり途中で帰る奴いるよな…笑
その辺含め80s洋楽好きだった同世代と一緒に見れば楽しめることうけあいです。

以下個人的エモポイント
•本プロジェクトにおいてモータウン出身者の貢献度があまりに高いことを再認識。20世紀後半、確かにモータウンが「アメリカ」を作っていたことの証明。
•プリンス欠席は以前から知ってましたが、それでよかったとあらためて。代わりを務めたヒューイ·ルイスの小気味いいプロフェッショナリズムにも脱帽。
•正統派ソウルフル力量系シンガーが大半の中、終始所在なげな表情のボブ·ディランが最高。ディランよく途中で帰らなかったな。ディランを救ったスティービー·ワンダーとの音楽的やり取りは震えます。
•スティーブ·ペリー〜ダリル・ホールのラインはスタッフ側も白眉だと言っていたが、確かに何回聴いても素晴らしい。ラスト、クインシー·ジョーンズが白人を褒めていたのも良い話。
•途中で断片的に流れるウィー·アー·ザ·ワールドのデモ版やレイ・チャールズのピアノ版の方が明確にソウルフルで完成版より余程良い曲に聴こえる。でも完成版のあの薄さ、無臭編曲こそがグローバルセールスの肝だったのだろうか。
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