風来のリヨナ

Ode to Nothing(英題)の風来のリヨナのレビュー・感想・評価

Ode to Nothing(英題)(2018年製作の映画)
4.5
タホって奴が美味しそうすぎ

あからさまに生き遅れている様子の女性ソーニャさん。会話すら無い父親と暗い二人暮らしで、葬儀用の献花や棺を売り、死体の修繕をして生活している。まぁ借金で回ってないらしく、客は週一ペース…金がほしい…

そんなある日、誰か身内が引き取りに来るまで預かることになった1つの死体。まぁ一向に引き取りに来ない。
そんな死体に話し掛けることがすっかり日課になったソーニャは、孤独感から死体と一緒に寝てみることに…。父ちゃんにバレた!…なんと黙って死体の服を見繕ってくれる父ちゃん。死体に理解のある父。ついには食卓に死体を招き、死体を介して弾む会話!死体が齎す明るい生活!…みたいな。

フィルマちゃんが認識してなかったので、後出しになったと思いますが。新年一発目に鑑賞した死体ちゃん暗黒童話映画。なんとフィリピン産。良いセンス〜〜!!

相当に禍々しいBDジャケットからは想像できない割りと平穏ハッピー死体暮らしで、ネバトログチャ死姦死姦では無いんですよね。
しかしながら、シャンプーしてあげて、香りも飾り付けもダンスも…と、死体ちゃんと暮らしたい僕含む全人類が大きく頷くような憧れの暮らし振りはとっても良い!
まぁ…本作の死体ちゃんは老婆なので、こう…「お婆ちゃん!」って感じの抱擁力ですけど…

何気にというか、基本芸術点の高いシーンが多かったり、死体と眠った次の日から明確に画面の彩度が上がる感じもよくて、僕的にはとても満足の柔らか死体映画でした。タホ!

個人的に気に入ったのは、後を追うように亡くなった夫婦について「真実の愛だね〜」と死体に語ってるとこ、死体とイヤホンシェアして泣いてるとこ、穴掘るくだりです。
風来のリヨナ

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