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殺人鬼の存在証明のmasososoのレビュー・感想・評価

殺人鬼の存在証明(2021年製作の映画)
3.7
ファーストカットがすごくよかった。山中での殺しのシーン。犯人の残虐性、異常性を突きつけられた。
偏見だけど、ソ連という国への何が起こってもおかしくないっていう先入観が犯人の底知れなさに繋がってサスペンスにはいいスパイスとして効いてくるんだよな。
作品の持つ陰鬱な空気が安っぽくなくて引き摺り込まれる感覚、しんどいけど嫌いじゃない。

真相が明かされる7章は流石に熱量上がるけど中盤は少しだらついて中弛みしてた感があるなあ。
原因は唐突に差し入れられる必要性のわからないシーンの数々だとおもう。
ミロンの話が最たる例であまりにも唐突過ぎておそらく結末の為の新キャラクターだなって深読みが働いちゃった。
二つの時系列を行き来するのもオッペンハイマーよろしくうまく料理しないと分かりづらさの原因にしかならない。序盤はこの構図に慣れることができなくて入り込み損ねた。
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