Back to Black の深淵、Rehabの高揚感、
そしてTears Dry on Their Own の示す、あるはずだったエイミーの未来
これから自分にハードドラッグをやらせ、地獄の苦しみを与える男に惚れてハートのバルーンをキュッと抱きしめる女の子、はにかんだ笑顔で冗談を言う、愛する人の名前を身体に刻んでゆく
ドキュメンタリー作品「AMY」を鑑賞済で、彼女の行く末を知りながらの今作はなかなか心身にこたえた
運命の恋人ブレイクや父親ミッチがマイルドに描かれているのは、あくまで愛に生きるエイミーの視点だからか、当人に配慮する動きがあったのか
しかし決定的なエイミーの絶望は充分に描かれていたように思う
ムショでクリーンになって離脱に苦しむ恋人が言う、「おまえといるとやってた時の事を思い出す、おまえは異常だ、もう一緒にいられない、大麻なんかクソだ」
(私の想像です、not史実not台詞)
自身も依存症や摂食障害と闘いながら、それでも恋人のもとに笑顔でかけつけたら、別れを告げられる
ありのままではお前を愛してなかったと
それがどんなにつらいことか
これからも彼女の歌を聴いて、涙を拭いて、濃いめにアイラインをひいて、エイミーを抱きしめたい