スクリーンに映し出される陶磁器が美しかった。そう思うようになった自分も歳を取ったのかな。秀吉の朝鮮出兵で連れてこられた朝鮮人の陶工が今の日本の陶磁器の伝統の元になっているとは、この映画を観るまで考えたことがなかった。以前「土俗の乱声」という映画で日本の文化の源を追っていたのを思い出す。そして十五代沈壽官というとても魅力に溢れる陶工が紹介されていた。窯の温度を探るのに「窯の声を聴く」というのは、いかにも経験を積んだ職人さんらしい。父から子へ、さらにその次の世代へと伝統や技術を伝えられるが、経験はその人一代のもの。だから常に新しいものが生まれるのだろうな。
朝鮮出兵時に連れてこられた陶工達は、強制連行だったのか、客人として請われて来たのか。僕の若い友人は後者だと思ったらしいが、時代や歴史を考えればやっぱり前者だろうな。