papandaさんの映画レビュー・感想・評価

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銀嶺の果て(1947年製作の映画)

4.0

まず真っ先に自然の大きさと過酷さに目が行く。当時ろくな防寒具も防寒着もなかっただろうに、あのものすごい山のなかでどうやって撮影したのか、ただただ驚く。
この映画は谷口千吉さんの初監督作品、三船敏郎さん
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キツツキと雨(2011年製作の映画)

4.0

久しぶりに観たが面白い。冒頭の役所さんの「ハ?」の繰り返しの間と表情がなんとも可笑しい。樵の克彦が武骨で一本気だけど家族や仲間思いですこぶる人がいいのが素直にわかる。一方の幸一は映画オタクがそのまま大>>続きを読む

KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)

3.9

まずは映像の美しさん驚いた。冒頭の大波のシーンは北斎の版画みたいだし、波を割るところは「十戒」のモーゼみたい。ストップモーションアニメということだけど、細かな動きや表情、激しいアクション、異形のもの達>>続きを読む

釣りバカ日誌8(1996年製作の映画)

3.7

西田敏行さんの追悼上映で久しぶりに観た。22作あるシリーズの中でこの作品が上映されるのは、この作品の舞台が西田さんの故郷の福島県だからだろう。この作品で東日本大震災とおぞましい原発事故以前の長閑で美し>>続きを読む

海底軍艦(1963年製作の映画)

4.0

久しぶりに大きなスクリーンで観た。色も音もとてもクリアで観やすいけど、昔の名画座の色褪せてコマ飛びや音飛びのあるフィルム上映も懐かしい。
大海原、古代の帝国、超高性能潜水艦、これだけお膳立てが揃ったら
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ナミビアの砂漠(2024年製作の映画)

3.6

この手の映画は正直苦手。映画として他人事で見ていてもなんか鬱陶しいのに、ああいう人が身近にいたら絶対に近づかないだろうな。まして家族だったらたまんない。まあそう思わせるのも河合さんや金子さん達の演技に>>続きを読む

私にふさわしいホテル(2024年製作の映画)

3.6

面白いとは思った。あのバイタリティはすごい。でも、特に前半、全く共感できなかった。自分を評価しない作家や編集者に対して邪魔をしたり足を引っ張ったり、見ていて気分悪くなった。そいつらを唸らせるほどの作品>>続きを読む

不思議の国のシドニ/日本のシドニー(2023年製作の映画)

3.1

仕事で仕方なく出た旅で自分の中に隠れていた感情に気付いて新たな一歩を踏み出す、という映画らしい。それよりもここで描かれるニッポンやニッポンジンへの違和感が半端なかった。外国の人が外国人の目線で日本や日>>続きを読む

I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ(2022年製作の映画)

3.9

こんな奴身近にいたらイヤだな、という感じ。自分のことしか考えてないし自分の言いたいことは言うけど人の言うことはろくに聞かないし周囲を見下してるし現実をちゃんと考えてないのに夢と妄想だけはでかくて。バイ>>続きを読む

市民捜査官ドッキ(2024年製作の映画)

4.1

これは拾い物だった。面白い! これが実話が元というのにも驚く。店も蓄えも全て失くして詐欺にまであって、子供たちと引き離されて、もう無我夢中、藁にでも縋る気持ちで詐欺組織を探すドッキさんの必死なこと。捜>>続きを読む

イル・ポスティーノ 4K デジタル・リマスター版(1994年製作の映画)

4.2

とてもカラッとした空気の具合、空や海の色、人の気質、南イタリアって感じがいい。小さな島の青年の純粋さと初老の詩人の強さを秘めた柔らかさの対比もいい。ふたりが親密さを深めていく様子と青年の恋の成り行き。>>続きを読む

ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い(2024年製作の映画)

3.8

背景や空飛ぶ鷹、草原を走る馬などがとてもきれいだった。実写版の雰囲気を味わいたくて字幕版を観た。ポスターから白のサルマンが出ることは分かっていたが、その声を実写版と同じクリストファー・リーさんで聴かれ>>続きを読む

うちの弟どもがすみません(2024年製作の映画)

3.5

たまにはこういう若い人達がキュンキュンしてる映画もいいかな。年寄りはなんか昔過ぎてとっくに忘れてたことを思い出してちょっと嬉しくなる。それにしても美形ばかりの家族、実に羨ましい。年齢や学年の設定がよく>>続きを読む

大きな家(2024年製作の映画)

4.2

施設で暮らす子供たちはかわいそう、という先入観は間違っていると頭では分かっている。家よりも施設の方が安全に暮らせるという家庭があることも。でも、どこかで血の繋がりは何よりも強いのではないかと思ってしま>>続きを読む

釣りバカ日誌(1988年製作の映画)

3.8

まあ西田さんも三國さんも若い! この二人のコンビは第1作から絶妙。三國さんの顔、この第1作ではことさら厳つく作ってあるけど、西田さんの人懐こい笑顔との対比がいい。そして石田えりさんのみちこさんの豪快な>>続きを読む

小学校~それは小さな社会~(2023年製作の映画)

4.2

日本は平和だな、とてもいい意味で。小学校1年生は社会性を学び、6年生は自分の課題を見つけその解決策を探り、先生方は仕事にやりがいを感じつつも時に悩みチームとして取り組み成長していく。靴の踵を揃えるとか>>続きを読む

ラブ・アクチュアリー 4Kデジタルリマスター(2003年製作の映画)

3.9

これは正にクリスマスのための映画だ。いろいろな愛や恋がモザイクみたいに散りばめられてひとつの大きな絵になっている。長年の友への友情、秘めた恋、不倫の恋、嘘から生まれた恋、初めての恋、言葉を越えた恋、等>>続きを読む

激流(1952年製作の映画)

3.6

昭和27年当時のダム建設現場。工事のための労働者、彼らを目当ての飲食店や飲み屋。彼らは工事が終わるとあっという間にいなくなる。そしてダムの湖底に沈む村の貧しい人達。ダム建設は安定した電力の供給や水害の>>続きを読む

はたらく細胞(2024年製作の映画)

4.0

予告を見てキワモノめいた映画を想像していたが、これがなかなかの拾い物だった。身体のことについてもかなり勉強になる。骨髄移植ってあんなふうにやるのか。身体の内側世界と外側世界どちらのドラマでもウルッとし>>続きを読む

映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」(2024年製作の映画)

3.6

誰でもみんな清い心もあれば妬みや欲望などの醜い心も持っている、それをどうするかは本人次第。銭天堂は切っ掛けをくれるけどそれをどう生かすかは本人次第。自分よりも上手な友達を見て妬ましく思い、友達を蹴落と>>続きを読む

お坊さまと鉄砲(2023年製作の映画)

4.2

この村の人達、ブータンの人達が望む「幸福」ってすごく素朴なこと、みんな仲良く笑顔でいられること、なのかな。模擬選挙の練習で指導員が、「対立する党や党員を本気で憎んで怒鳴れ」と言っていたけど、憎しみを煽>>続きを読む

くすぶりの狂騒曲(2024年製作の映画)

4.0

正直、お笑いにはほとんど興味がない。落語は大好きだけど。だけど、何かを目指して必死に頑張る人の姿が見たくてこの映画を観た。自分達の求めるものを目指して突き進むか、客のニーズに合わせるか、一所懸命頑張っ>>続きを読む

ぼくとパパ、約束の週末(2023年製作の映画)

4.0

そうかこれは実話がもとになっているのか。道理でリアルな感じがすると思った。自閉症の人やその家族を描いたドラマや映画もいろいろあるけど、自閉症の人にとって周囲の音がどう聴こえるか、身体に触られた時どう感>>続きを読む

ホワイトバード はじまりのワンダー(2024年製作の映画)

4.2

草なぎ剛さんがシャイロックを演じる「ヴェニスの商人」の後で観たせいか、どうしてユダヤ人があんなに忌み嫌われるのか、重くのしかかる感じがする。身体に障がいがあって苛められていてサラに名前さえ覚えてもらえ>>続きを読む

森繁よ何処へ行く(1956年製作の映画)

3.7

久しぶりに森繁さんの映画を見た。妻を事故で亡くし男手ひとつで育てた娘を嫁がせる男を演じていて、改めて森繁さんは演技派の俳優なのだなと思った。社長シリーズのコメディもいいけど、こういう滋味のある役柄もい>>続きを読む

正体(2024年製作の映画)

4.2

わずか18歳で人生を潰されてしまうなんて。その大もとは警察部長のあのたった一言。そして巨大な組織がひとりの人間を潰し殺す。逃亡して初めて友達ができ酒を飲み仕事をし好きな人ができる。生きている実感。でも>>続きを読む

海の沈黙(2024年製作の映画)

3.9

映画に出てくる絵がすごいと思った。金銭的な価値がいくらかは知らないが、そんなこと関係なく筆致の力強さとか絵力というか、実物を見たいと思った。絵は絵でありそれ以上でも以下でもない。それに金を絡ませるその>>続きを読む

転々(2007年製作の映画)

3.9

日曜日の「サザエさん」のエンディング主題歌が流れてからのなんとも寂しい気持ち、僕にもよく分かる。東京をあちこち歩き回るけど、切り取られた風景や人の姿がなぜか魅力的に見える。普段はなんとも思わないありふ>>続きを読む

大いなる不在(2023年製作の映画)

3.8

僕はすごく単純派なので、この映画が描いているものがよく分からなかった。ただ、僕が両親についてどれだけ知っているかと聞かれたら、首を捻って唸ってしまいそう。僕が知っているのは親の人生のほんの一部なのかも>>続きを読む

アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師(2024年製作の映画)

4.0

超ド真面目で正直者で小心者の内野聖陽さんと、見るからに精悍で頭脳明晰だけど陰を感じさせる超イケメン岡田将生さんのバディもの。巨大な悪を相手に頭脳で勝負の成り行きは、現代版「仕事人」かな? つっこみ所は>>続きを読む

六人の嘘つきな大学生(2024年製作の映画)

3.8

冷静に考えればあんなずさんで無責任な選考方法をとる会社なんてろくなもんじゃないけど、就活中の学生にはそう考える余裕もないだろうな。彼らの胸の内ってどんななんだろう。僕だったらどこもかしこも不採用で自分>>続きを読む

ファストブレイク(2024年製作の映画)

3.4

これは主演俳優やイケメン達を見るための映画か。中沢さんは新しい役柄に挑戦して俳優としても幅を広げているのだな。ストーリーは突っ込みどころだらけであまりにもご都合主義だし、緊迫した試合シーンもないし、歯>>続きを読む

ジュブナイル(2000年製作の映画)

3.7

夏休みのこどもたちの心踊るような大冒険。かわいらしい映画だった。テトラのかわいらしい造形、宇宙人の禍々しいけどどこかユーモラスで間が抜けた様子、悪人が一人も出てこなくて誰も死んだりしない物語が、こども>>続きを読む

クレオの夏休み(2023年製作の映画)

3.7

これはドラマなのかドキュメンタリーなのか、変わった感覚の映画だった。自分が大好きな人には自分だけ見てほしい、自分だけの人でいてほしい、そう思うのは6才のクレオでも大人でも同じだ。でも、6歳だからあまり>>続きを読む

チャーリー(2022年製作の映画)

4.0

🐶の映画もいろいろ観たけど、インド映画では初めてだった。ダルマとチャーリーが心通わせていく様子が見ていてすごく微笑ましい。そして後半はチャーリーが弱っていく姿が辛い。チャーリーの🐶は演技なのか?と思う>>続きを読む

『SHOGUN 将軍』 エミー賞(R)受賞記念上映 第一話、第二話(2024年製作の映画)

4.1

配信でも観たけど、映画館の大きなスクリーンで観ると映像の細かなところまでよく見える。映像のクォリティーが高いなぁ。徳川家康の家来にイギリス人の三浦按針がいたことは知っていたけど、その背後にカトリックと>>続きを読む