papandaさんの映画レビュー・感想・評価

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宮本武蔵 巌流島の決斗(1965年製作の映画)

4.1

五部作+番外編一作の第5作、一乗寺の決闘の後から舟島での佐々木小次郎との決闘までが描かれる。物語はじめの武蔵の異様な風貌はまるで亡霊みたい。それが伊織少年の父代わりとなって畑を耕し作物を育てることで人>>続きを読む

変な家(2024年製作の映画)

3.5

普通に面白かった。ミステリーとかホラーとか本格的なものが好きな人には物足りないだろうけど、エンタメとしては佐藤二朗さんの演技を見ているだけでも楽しめた。しかし、家の間取り図から「ミッドサマー」みたいな>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.3

映像がすごい。前作以上。砂嵐が本当に迫ってくるようだった。怖いけど美しい。ストーリーは家を滅ぼされた若者の復讐ものなんだけど、権力抗争が複雑に入り交じっててちと分かりにくい。でも悪役は絶対的な破壊力が>>続きを読む

劇場版 名探偵ホームズ デジタルリマスター版(1984年製作の映画)

4.4

「名探偵ホームズ」をまたスクリーンで見られるなんて、単純に嬉しい。はじめの2本は「風の谷のナウシカ」と、次の2本は「天空の城ラピュタ」と同時上映だった。今思うとものすごく贅沢なラインナップ。もう40年>>続きを読む

春の画 SHUNGA(2023年製作の映画)

3.8

春画ってただのエロ目的の絵だと思っていたけど、見方が変わった。そこに込められた浮世絵としての技法の数々、見る人のイマジネーションを掻き立てる絵、いろいろなものを学んだ。絵師、彫り師、摺師の技術の素晴ら>>続きを読む

犯罪都市 NO WAY OUT(2023年製作の映画)

3.8

空いた時間に見たのだが、面白かった。タフというか頑丈というか、ほとんど素手で戦ってすごい刑事がいたもんだ。悪役の方は理知的なイケメンで、だからこそ面白い。アクション連続の中にちょこっとユーモアが挟まる>>続きを読む

宮本武蔵 一乗寺の決斗(1964年製作の映画)

4.2

完全にセピア色になっていた古い16㍉フィルムでの上映なので、あの有名なカラー➡️白黒➡️カラーの切り替えが全く分からなかったが、ドラマの骨太さが印象深い。五部作+番外編一作の4作目。本阿弥光悦や吉野太>>続きを読む

PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~(2024年製作の映画)

3.8

eスポーツってなんかAIの無機質なイメージがあったけど、ゲームをするのは人間だから当然そこにドラマがあると気づかせてくれた。仲間がいて淡い恋があってなにか熱くなれるものがあって、なんか低体温だけど青春>>続きを読む

カルメン純情す(1952年製作の映画)

3.8

木下恵介監督といえば松竹大船調の王道を行く正統派、というイメージが強いけど、この映画みたいにかなり実験的な作品も作ってるんだ。画面が斜めに傾く構図とか、かなり強烈なキャラクターとか、画面のワイプの仕方>>続きを読む

宮本武蔵 二刀流開眼(1963年製作の映画)

3.9

五部作の第三作。剣の腕を上げることで自分の人間性を磨き、世の中で身を立てようとする武蔵。それに対して欲望を削ぎ落とし静かに佇む柳生石舟斉。その石舟斉の思いを察して去っていく武蔵もいい。そこが吉岡伝七郎>>続きを読む

宮本武蔵 般若坂の決斗(1962年製作の映画)

3.9

五部作の二作目、吉岡清十郎の登場と宝蔵院との関わり、お馴染みの人々のその後が描かれる。錦之助さんの武蔵は理知的な佇まいで、剣の力を磨くことで己の人間を高めようと誓うところから始まる。吉岡清十郎は名門の>>続きを読む

カルメン故郷に帰る(1951年製作の映画)

4.0

日本初の総天然色映画。デジタル修復版で見た。何回も見ている映画だけど、今回は色がきれい。リリー・カルメンの底抜けに陽気でお人好しなところがいい。村の人たちは小狡い奴とか金の亡者みたいな奴とかもいるけれ>>続きを読む

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

4.1

これは恐ろしいほど面白い。他人の笑顔も涙も自分の計画のためには利用し尽くす。もし将来感情を持たないAIが完全犯罪を目論んだらこんな感じになるんだろうか。見た目の綺麗さあどけなさの陰であんなどす黒いこと>>続きを読む

宮本武蔵(1961年製作の映画)

3.9

最初から1年1作で5年かけて5部作とするという、いくら映画に力があった頃とはいえ相当な冒険企画。でも、だからこそ宮本武蔵の人間としての成長を、中村錦之助(萬屋錦之介)の俳優として人としての成長と重ねて>>続きを読む

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

4.0

虐待、DV、ヤングケアラー、LGBTQ、いろんな問題が描かれていた。どれもあまり深入りはしていないけど、必死に発している他人には聞こえない心の声を聞くことの大切さを訴えているのだと思った。いや、心の声>>続きを読む

Firebird ファイアバード(2021年製作の映画)

3.9

50年ほど前に実際にあったことらしい。ひたすら自分の感情に正直に行動するセルゲイと、セルゲイへの愛と妻子へのそれとを分けようとするロマンとの寄り添ったりすれ違ったり。もし僕がその立場だったらならどっち>>続きを読む

おしょりん(2023年製作の映画)

3.9

出だしこそ地元観光PR感いっぱいで引いてしまったが、本題に入るとなかなかどうして熱い映画だった。普段何気なく使っているメガネだけど、ああいう背景があったとは知らなかった。冬の間畑も田んぼもできず出稼ぎ>>続きを読む

18歳のおとなたち(2023年製作の映画)

3.5

この映画を見て改めて思ったことは、18歳で成人だけど高校三年生じゃん、まだまだ子供じゃん、ってことだった。新成人の実行委員が映画を作って上映したという実話が元になっているらしい。そういうのいいな。映画>>続きを読む

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

4.0

ほとんど何も知らずに時間合わせのつもりで見た。のっけから昔の007やM:Iみたいで今のコンプラ的にはセクハラになるかなあ、なんて思っていたら、後の方で同じ構図でしかも男女逆転で出てくるシーンに笑ってし>>続きを読む

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.9

なんともすさまじく面白い映画だった。映画は基本的に映像で見せるものだという根本を思い出した。とにかくこの映画、台詞が圧倒的に少ない。主人公に至ってはラストの二言のみ。とにかく映像で見せまくる。決して死>>続きを読む

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

4.1

内容をほとんど知らずに見た。終始臨場感いっぱいな感じで見ていた。殺さなければ殺されてしまう。絶対にそんな所には行きたくないけど、そういう場所があるのは現実。中盤の脱出劇、終盤の救出劇、ずっとハラハラし>>続きを読む

超少女REIKO(1991年製作の映画)

3.5

ものすごく久しぶりに見た。なんとも緩~い学園ホラー。演技はどう見ても学芸会並み。でも、その緩さがなんとも微笑ましい。平成だけど昭和っぽい特撮はなんだか居心地がいい。ホラーじみてるけど学園もののコメディ>>続きを読む

マッチング(2024年製作の映画)

3.7

面白かった。ああいうこと言うのってたいてい犯人だよな、って思ってたらやっぱりそうだった。まあ顔ぶれ見たら何となく予想はついたけど。会話に出てきてまだ登場していないキャラクターも“実は…”かな、というの>>続きを読む

瞼の転校生(2023年製作の映画)

3.8

大衆演劇一座の子どもで1ヶ月ごとに転校を繰り返す。これで友達を作ったら別れがつらくなるのは分かってるから作らない。少年は座員はファミリーであると同時に芸の師でもあるので常に礼儀正しく敬語を話す。自分の>>続きを読む

戦火を越えて(1950年製作の映画)

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16㍉フィルムで状態も劣化が著しく、後半部分がなくなっているので、資料として見る感じだった。伊福部先生と、伊福部先生の教え子で若くして亡くなった王可之氏の音楽が楽しみだったけど、あまり聴けないうちに終>>続きを読む

花(スタア)の進軍(1951年製作の映画)

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「ザッツ・エンターテインメント」みたいな名馬面を集めた映画だった。でもかなり欠落していて、16㍉フィルムで状態も悪く、映画の資料として見る感じだった。美空ひばり、三船敏郎、三木のり平、片岡知恵蔵、大友>>続きを読む

悪い子バビー/アブノーマル(1994年製作の映画)

3.9

35年間地下室に閉じ込められて育てられたバビーにとって、母親は良くも悪くも唯一無二の存在。外に出てからも女性に母親の面影を求めたのだろう。外見はおじさん中身は赤ん坊、無知で無垢なバビーが出会う人達がバ>>続きを読む

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

4.1

王宮内の権力争いやお家乗っ取りみたいなことってどこでもあるんだな。この映画が史実をもとにしているというのがすごい。韓国の人にはお馴染みの物語なのだろう。それを盲目(実は梟)の鍼医の立場から描いているの>>続きを読む

ここに泉あり(1955年製作の映画)

3.9

16㍉フィルム上映での鑑賞。戦後すぐからの数年間の話だが、その当時に撮られた映画の同時代性は、映画を包む香りのように感じた。大人達の体型とか子供達の顔つきとか、現代人とは全く違っている。時代性だろう。>>続きを読む

流離の岸(1956年製作の映画)

3.5

男の行動原理がよくわからない。恋してしまったら理屈も理性も飛び越えて情熱のまま突っ走る、ってこと? 昭和30年代はじめはまだまだ旧くからの考え方が強く残っていたのかな。女性は自分の考えに関係なく男と添>>続きを読む

村八分(1953年製作の映画)

3.9

世の中のおかしなこと、よくないことをきちんと取り上げて映画にする。今ももちろんあるけど、こういう映画がちゃんと機能し社会に寄与していた時代があったんだなと感じた。この時代は未来や若者に希望をもっていて>>続きを読む

レディ加賀(2023年製作の映画)

3.4

まさに王道を行くご当地密着ご紹介映画。非常にわかりやすいキャラクター設定とストーリー運び。タップダンスは相当練習したんだろうな。映画としてはなんだか物足りないし、ラストのダンスシーンはもっと盛り上げて>>続きを読む

アイコ十六歳(1983年製作の映画)

3.3

今季放送されているドラマで富田靖子さんと松下由樹さんがこの映画以来40年ぶりに共演している、しかも教室のシーンでは富田靖子さんの近くの席に佐藤二朗さんが座っていると聞いたので見た。元気よく活発で天真爛>>続きを読む

アナタハン(1953年製作の映画)

3.3

これが実話を元にしているとは。でもなんとも中途半端な印象。なんだか事件の再現ドラマを見ているような感じ。映画全体に渡る監督のナレーションがそんな感じになる。日本語や日本人の感情はアメリカやヨーロッパ人>>続きを読む

同感〜時が交差する初恋〜(2022年製作の映画)

3.8

無線機が過去と現在のふたりを結ぶ、と聞いて「またか」と思ったが、この二人に恋愛感情はなく、互いの恋の悩みを聞いたりアドバイスしたり、というところが珍しかった。現在の彼女の言葉が過去の彼の人生に大きく影>>続きを読む

身代わり忠臣蔵(2024年製作の映画)

3.7

面白かった。史実とか時代考証とか考えたらきりがないけど、まあいいか。ムロツヨシさんの独壇場だった。林遣都さんとの掛け合いが楽しかったな。何が忠義だか知らないけど、少しでも人の役に立てて自分らしく生きる>>続きを読む

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