けい

ザ・ウォッチャーズのけいのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・ウォッチャーズ(2024年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

話し合いで解決しないなら、戦争をするしかない。

一歩間違えばウォッチャーズ=《彼ら》が森から出る方法を見つけて、森に閉じ込めた人間に対して《彼ら》が戦争を仕掛けてくることもあるかもしれないが、主人公・ミナの説得により何事もなく解決できた。この終盤の展開から、おそらく深読みし過ぎだと思うが、本作はホラー映画の皮を被った “ 反戦映画 ” だと読み取った。

冒頭の森の中で何者かに襲われる男性、そして蠢くモノの正体が徐々に明らかになっていく引っ張り、終盤の展開まで、ハラハラさせる目が離せない演出のチカラが確かにあった。特に暗い森の中で、ぐにょーんと背が伸びて異様な姿になるシーンは不気味で強烈な印象。

人間に擬態する何者かは『ウィッチサマー』を、観察するものとされるものが出てくる展開は『キャビン』を彷彿とさせ、ホラーの中でも好きなタイプの作品だったので、“ リーダー的存在の老婆 ” は絶対に秘密がある!と思ったのは予想通り。しかし、森から脱出した彼女たちが出会ったバスの乗客全員が “ もしかしたら擬態した《彼ら》だったら… ” と最悪の想像をしてしまったのは、やりすぎた(笑)

騙された!とはならなかったものの、大きな矛盾や突拍子のない展開にならない丁寧な風呂敷のたたみ方で、《彼ら》が人間を観察する理由がしっかりとしていたので鑑賞後にスッキリできた。まるで監督の父であるM・ナイト・シャマランの作品のような “ 予測できない展開モノ ” 映画のひとつのお手本のようなキレイな作品だった。さらに、変装して他人のふりをして夜の街に闊歩する主人公・ミナ、人間の声真似をするインコなどの伏線がウォッチャーズの正体に繋がる展開もキレイ。

少々気になった点を挙げるとすれば…
① “ 鳥かご ” があったとはいえ、森の中でしばらく生活していたのに皆の容姿が結構キレイなままだったこと。
②もひとつは…机のある床下の扉の存在に気付くの遅すぎない?(笑)
③果たして広大な森の中を通った先に待っていたインコの届け主は誰だったのか…?もしや亡くなったはずの教授?

何にせよ、不気味な存在って怖いけどだからこそ気になってしまうし、夜の森でひとりぼっちは絶対にイヤ(笑)
けい

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