RIO

デ ジャ ヴュ デジタルリマスター版のRIOのレビュー・感想・評価

4.5
過去と現在は凄い引力で引き合っている
時間という流れが私たちの中に違いを作る
少しだけ

死者を呼び起こす鈴の音
魂の窓から何も見えなくなると また心の奥底から会いたくなる衝動
イェナチュの存在がクリストフを何回でも城へと導いているかと思っていたら
父親ポンペウスを暗殺された娘ルクレツィアがいた

掌で引きちぎられた鈴と振り下ろされた斧
衝撃の仮面の場面の後に能の面が部屋に吊るしてある静かさの内なる激しさ

全体的にゆっくりと回るような撮り方はこちらも意識が溺れていきました この感覚は感動的です 車窓からクリストフとすれ違うキャロル・ブーケの美しさは憧れてしまう

自らが強く欲すれば過去はいくらでも応えてくれる
それどころか向こうから招き入れる
── 深淵からの声
幹を切られても根がまだ息をしているように

意識の束が1点で交差してまた放射状に広がり戻っていくような感覚を何回でも観ていて経験することになった
本当の現在は何処にあるのか

肖像画は永遠の輝きを留めている それは無
死んだからといって何もかもが終わったわけではない
果てしない多くの意識が覆い深淵へと戻っていった
RIO

RIO