RIO

最後の決闘裁判のRIOのレビュー・感想・評価

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
4.0
そこに大きな食い違いがありました

一概念で見ていることの恐ろしさ
地位 偏見 貧富から生まれてくる不毛な嫉妬

相手の心に誠実でありたいという表れである理想を持つことで余計に他の側面が見えてない
それに見えないという3人の因縁めいた宿命を感じ取れた

致命的な打撃が感情に与える不名誉
それが働きかける頭で考えていること
全身を駆け巡るシナプスが理性的な行動として現実化しているか本人には分からない

自分の取りたかった行動とそうとは成らなかった煩悶の源泉は長く長く続いた家の受け継いで来た歴史

そんな事言ってない そうは見てないのに対する大いなる誤解が悲劇的な結果を招く
あぁ勘違い食い違いの描きも繊細でした
マルグリットが自分を男らしく自分の傷を労ってくれると見ていると考えたいカルージュも
マルグリットが危険を冒してでも会いたいと思わせる魅惑を感じてると思いたいル・グリ
そして実際に痛みを受けたマルグリットが各々の本質を見抜いて2人の男に提示する

1人の人間が把握している現象は何ひとつ無いというのも事実なんだろうか マルグリットの真実でさえ と思うと面白かった
最後にカルージュとル・グリの決闘は見る人間の真実になる

ようやく雲が晴れた青空の下
花の奥に潜む命の音に耳を傾けるようなジョディ・カマーの微笑みは清らかでした



……
それでも君は生まれたのだ
清澄の日のために
F.ヘルダーリン
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