【アイデンティティ②】
※ デジタルリマスター、リバイバル
何人(なんぴと)も成長させてくれた過去があったのだ。
「デ・ジャ・ヴュ」から一転、個人的なアイデンティティが形成される様をヴァランタンの思い出の場所と、そこで綴られた出来事を中心に暖かい視点で描かれた作品だと思う。
とてもパーソナルで、子供が少年になる過程で見聞きしたり経験するようなことを至る所に散りばめていて、時には可笑しくもあり、そして切なくもある作品だ。
更に、スイスという国が多言語国家で一見国際的でも実は内向きなところがあることや、カトリックが一部には残り時には軋轢もあることが伺える場面もあって、これらはスイス人の人格形成に何らかの影響があるんだろうなと思わせられる。
とても細かいところを大切に描いているように思える。