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ロシアの劇作家チェーホフの「ワーニャ伯父さん」を現代版にアレンジした、アンドリュー・スコットによる一人8役の一人芝居。
ここまで完成度の高い一人芝居を初めて観た。
アンドリュー・スコットのお芝居は本当に凄すぎるし、演出が絶妙ですごく良かった。切り替えが多いのに誰が誰だか分からなくなることもほとんどなくて、後半は一人芝居だということすら忘れて本当に引き込まれた。この手の演目でここまでノイズの感じない舞台って初めてかも。役者の芝居を一助けする感じの過剰でない演出も本当に良いしおしゃれ。
適度に笑いもあって感情移入もできる。
元々のお話自体も好きだし、ラストシーンは泣いてしまった。恋が叶わなくても、何もなし遂げられなくても、例え希望がなくなったとしても生きていこう、死んだときにはきっと美しいと思える、ってメッセージが本当に心に響いた。個人的には、生きていればきっと良いことがあるなんていう、ありふれた無責任な励ましなんかより余程慰められるし共感できる。
観る価値のあるとてもいい舞台だった。リバイバルあったらもう一回観たいかも。