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凶気の桜の93n35i5のレビュー・感想・評価

凶気の桜(2002年製作の映画)
4.7
大和魂。真の大和男児たるものこうあらねばならんという遊侠精神、その根底に流れるのはどこまでも純然たる愛国心、漢山口を礼賛すべし。何だかんだ綺麗事を吐きながらも暴力や暴動でしか変えられない事は事実あると思う。暴力を正義と掲げその正義に反する者達に拳をふるう、勧善懲悪に基づく美意識に則った暴力は正義たりえると思う。拳(武器)を振りかざさずに、戦わずに大切なモノは守れない。大切なモノを守り己の精神論(イデオロギー)を全うする為に戦う、つまり暴力。山口の魅力でもある実はひたすらに優しい人物であるという事、暴力は優しさを持つ人物でなければ駆使出来ないものなのだと良くわかる。優しく純粋であるが故に利用されてしまうというのも、鮮やかな理想に対しては泥に塗れた現実を突きつけられる残酷さが常である事を改めて認識させられる。

圧倒的存在感の消し屋がこれまた良いキャラだったな。朗らかな笑顔を見せながら粛々と冷淡に任務を遂行する殺し屋素敵。ああいうキャラに矢張り弱い。

あとは兎に角終始映像が凝られていて格好良い。BGMも嵌っている。冒頭の神社参拝シーン最高。そして桜の神々しさよ。山口が古書店で物憂げに2.26事件の本を読んでいたシーンも良い。2.26事件当時の若者達も愛国心故の討伐に魂を捧げた、今の時代はこの魂の燃え盛りが矢張り足りないのかも知れない。私もイデオロギーを磨き強く生きようと思った。
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