このレビューはネタバレを含みます
綺麗で優しくて、藤井監督作品の中で一番好きな世界観になりました。
河村光廣プロデューサーが亡くなったことを聞いた藤井監督が、失意のあまり熱海に籠って脚本を書き上げた本作。
河村さんへの愛が隅から隅まで行き渡っていて、会ったこともないし、生前リアルタイムでメディアで見たこともほとんどないのに、どんな顔して空から観てるのかなと思うと涙が止まらなかった。
・予告で印象的だった「おーっすおすおす」というリリーフランキー演じるマイケルの挨拶は河村さんの口癖で、「新聞記者」(’21)の企画を藤井監督に打診した時の第一声もこれ。ちなみに英語版のマイケルのおーすおすおすもかなり良い声。
・スターサンズの由来にもなった星の砂を世に広めたのは河村さんなので、劇中の映画館の名前が「HOSHISUNAZA(星砂座)」なのは素敵だった。子供の頃、なぜか星の砂ってみんな持ってたなぁ。
・勝利の顔が良い。
・「死人がヨガ?」wwwww
・見間違いでなければ河村さんの誕生日である8/12がワゴンのナンバーだったし、ぐちけんのキーホルダーに亡くなられた6/11の番号がついてた
・渋谷ユーロライブの場面で映るマイケルのポスターの言葉「映画こそ自由であるべきだ」はあまりにも有名な河村さんの言葉。
・「ヤクザと家族」(’21)に呼ばれなかったことを今でも定期的に振り返って藤井監督に恨み言を言う横浜流星が、ヤクザ映画を撮ったことがあると言ったマイケルに向かって「どうせハンパなやつでしょ?」って言うのはちょっと愛しすぎる…
・完成した映画のデッカいフィルムが、少し前に観た「瞳をとじて」に出てきたのを思い出した。こういうのが出てくる映画っていいな。
・勝利の演技が最高に良い。あと、顔が良い。
・勝利の「この歌1000回ぐらい聴いた」の色気が過ぎる。
・いじめがえげつなさすぎてひいた。
・ナナの最後の天才演技めちゃ笑った。
・藤井監督のイツメンオールスターズすぎて最高本当最高
・え、待って待って待って河村さんも狂児…間違えたGOさんも客席にいる…?!
・勝利の成仏による途中退場が悲しすぎるもっとください
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亡くなった人は見えないし、もう二度と会えない。この映画を観て「死んだ時に思い残すことがないように生きよう」というより、生きてる私自身は、大切な人が亡くなった時に、心残りさせるような生き方をしちゃダメだなと思った。
スクリーンであのきれいな廃墟のような遊園地を観たかった。Netflixだからこそ実現した企画かもしれないけど、限定上映でもいいから映画館で観たい🎡