パグちゃんかわわ

THIS MANのパグちゃんかわわのネタバレレビュー・内容・結末

THIS MAN(2024年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

最近地元でホラー映画の上映がなかったので寂しい限りだったのですが、久しぶりに邦画ホラーが公開されたのでウキウキで映画館に駆け込んできました❗️This MAN、観てきました❗️
予告も前情報も入れずに鑑賞したのですが、エンドロールで芸人さんや有名な俳優さんが出演されていたことに気付きました。私は人の顔があまり覚えられないので、サプライズされてもそれをサプライズと認識できないので少し勿体なかったです(笑)それだけ、演技で浮いた人が居なかったということだと思いますが。

ストーリーは元々海外の都市伝説になっているThis MANを和風にアレンジしたお話だったのですが、賛美両論ありそうではありますが(ストーリーとは別の部分で)日本独自の解釈でそこまで矛盾なく大筋通っていたので、私は良いアレンジだと思いました❗️
世界規模の騒動にしてしまうと背景が大き過ぎて日本だけでは纏まらなくなるのであえて「日本で呪術の修行中に道を外した男が処刑されて地獄に封印された」設定にしたことで、なぜあの島が舞台なのか(封印された男の所属していた呪術協会の修行の場)、あの世に封印されたThis MANが徐々に現世に戻ろうとしてくる過程(地獄には段階があるので、男の魂が八つの地獄を超えて現世の人々の夢と繋がる場所まで近づいてきているひっ迫感)、
たぶん男と現世の人々が接触する夢の世界はいわゆる三途の川みたいな場所なんだと思いますが日本の伝記風に解釈するとそんなに矛盾していないので、お話の骨組みはしっかりしていたと思います❗️舞台が田舎なのは予算の都合もあると思いますが、都会だと呪術師の修行の場を描きにくいので終盤の爺バトルには相応しい場所だと思いました。そんな派手なバトルではないですが。

呪術修行の場でもある地域にIT企業のエリート夫と子供と暮らす女性が本作の主役で、ある時期から謎の男と夢で出会う体験をした人々が次々と命を落とすようになり
やがて被害者は増え続け日本全土を巻き込む惨事になる…というお話なのですが
主人公が不憫です。もちろん自分にかけられたThis MANの呪いを他者に移して助かろうとしたことで最悪の展開になるのは自業自得なのですが(ここは予想通りで胸糞でした)、何があっても自分たちは家族だと言っていた期待の夫がまさかの選択、主人公はもう呪いを受けていないはずなのに妹が目の前で凶行、自分を犠牲にして仇討ちの覚悟を決めたけど実は誰も犠牲にならなくても呪術協会が団結すればThis MANを再び地獄に封印できるという事実が終盤で発覚(犠牲者出る前に教えてよ!)、あんまりだなと思いました。
爺のせいじゃないけどさ、日本政府が国民がThis MANの呪いで苦しまないように自死する薬を配給するに至るまでになってやっと「協力して封印しよう」と動いた呪術協会、とんでもない連中だと思いました(笑)爺がイヤになって脱退した気持ちがわかる。

伏線はかなり張られていてそれは全部きっちり回収されるのですが、個人的な感覚ですが回収された伏線のつながり先が微妙に胸糞というか王道を外しているので「そんな…!(ここで⁉︎)」という気持ちになります。例えば主人公の夫が、僕が死んでも自宅のランプを点滅させて合図送るよって伏線も、家族を守って闘って命を落としたエンドの後に来るんかなっと思っていたら中盤の自死からの回収だったのでこんなん主人公辛いだけやがな…と悲しくなりました(笑)
でも彼の選択も確かに妻を守るためのものなので、立派ではありますが。全体的に、伏線の回収先がだいたい悲しいです。王道に行かせて貰えません。
This MANが引き起こす惨劇はそれほど残酷ではありませんが、ホラーに慣れていない人だと驚きそうな特殊メイクを使った傷口描写が数箇所あるので要注意ですが、This MAN和風アレンジは良かったと思います❗️ただ、すべて回避できたかもしれない悲劇だったことを思うと、主人公が冒頭でナレーションしていた通り確かに忘れてしまいたい出来事だなと深く頷きました。あんまりだよ怒

大筋しっかりしていたぶん余計な部分にツッコミを入れることが多かった作品ですが、楽しめました❗️久しぶりにこってりジャパンホラーを浴びたので生き返りました、ありがとうございました❗️また田舎でもクセの強いホラー作品の上映が増えますように祈っています。

ちょっと美男美女キャストさんを推す為のシーンが長いのでそこは巻いて、そのぶん終盤で時間使って欲しかった感はありますが個人的に特に大好きだった場面は、主人公が友人2人と中華料理ランチしている時にThis MANの話題になって友人たちがそれぞれ自分が夢で見たThis MANの話をするのですが、一方の友人の夢の内容が若干ギャグっぽかったので、笑っていいのか怖がる所なのか迷っていたら主人公が「ごめんね変な空気にしちゃって…」と謝ったところがすごく「ほんとだよ!」と心の中で突っ込めて楽しかったです。

あと気になったのはやはり主人公の妹さんなのですが、This MANは第三者の意識を乗っ取って操ることもできるのですが(それによって呪ったターゲットを追うことができる)
例のハンバーグは夫の死後だと思うので妹は元々夫の命を狙っていたのに自死されたためとりあえず義務としてハンバーグ作業だけ遂行したのか、それともすでに夢を通さなくても現世で無作為に呪えるほど復活してきていたのかもやもやしました。主人公は呪いを他者に移しているのであの時点で白目MANに接触される道理はないはずなので…
妹が凶行前に主人公と外食している時に、子供を亡くして落ち込んでいる姉に対してちょっと言葉に思い遣りが足りてないのが違和感だったのですが、あの時点から乗り移られていて、夫の命を狙って家に上がり込もうとしていたとしたらゾッとするホラーだなと思いました。姪を亡くしたのに山盛りすぎるパスタくってたし(笑)

最後にどうしても突っ込みたい、政府が配った安楽死用の薬、流石に量が多すぎる(あんなの送ってこられても喉につまって飲めないよう)
あと子供のグロは見えなくても良かったです、ホラー好きでも越えられないアウトラインがある…
パグちゃんかわわ

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