ちぴ郎

成功したオタクのちぴ郎のレビュー・感想・評価

成功したオタク(2021年製作の映画)
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私にも数年前から推しができて、それからの数年でお金も時間も思考も全振りしてまさにどっぷり推し活をしている真っ只中で、推しと推し活に人生救われている身としては他人事とは思えず。
こんな事は考えたく無いけど、私の推しがこんな事になったら私は生きていけるか…?と思ってしまうな…それぐらい依存しているから…考えない日無いもん。

これまでも好きな音楽家やバンドとかはたくさんいて楽しみながら生きていたけど、人間性まで求めたりというか考えた事無かったんだけど、アイドルを初めて好きになってそのファンダムに入って知ったのは、アイドルには特別品行方正さとか極端に求められるのがキツイよなぁと感じた。
犯罪はもちろん絶対無しだけど、たばこもタトゥーもダメとか、本人が好きでやりたい事にまで口出ししたり文句言ったりするのは気持ち悪いなと思うし、本人たちが好きでたのしく作りたいものを作って、それを共有してくれてこちらは受け取るってだけ思ってたんだけど、アイドルとファンの関係性はファンの存在がすごく大きいと思った。
もちろん聴く人、グッズとかも買ってくれる人がいなければ成り立たないけど、ファンっていうかもっと流動的なものとして意見を言うもんでも無いと思って生きてきたから、最初は驚いた。
でも何か間違った時に気づいて指摘できる・してあげられるファンがいるってアーティスト本人にもいいことでもあるんだよなぁとか。
ひどい犯罪を犯して、それでも彼が作った曲や存在に救われてた時期は嘘じゃなく幸せだったし、書いてくれたメッセージで頑張れたのも本当だし、グッズのお葬式は悲しくなっちゃった。。
推しが性犯罪の加害者になって、それでも応援し続ける、離れられない気持ちって、なぁ~。

監督や出てきたお友達やお母さんたちの言葉がどれも共感でしかなかったんだけど、監督なんて推し本人に認知されてて余計身近に感じて推し活していたんだから与えられた衝撃は大きすぎただろうな…
聖人でいてほしいって押し付けるのはよくないけど、盲目になって被害者がいるのにその存在は見えずにいるのは、まず推し活以前の話だよな。
監督はこのような作品を作るのに冷静に自問自答しながら、事件の記事を書いた記者にも会って謝ったりまでしてかっこいいと思った◎
めちゃくちゃ笑えたし、何だか泣きそうにもなり、励まされたような気持ちにもなり、監督の人柄を感じられるすごくいい作品だった◎
推し活って本来シンプルに誰かを好きになって応援したい気持ちで、自分も楽しくて幸せな気持ちになるものだから、辛くなるようなら離れる時なんだよなぁ

2024.26
ちぴ郎

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