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π〈パイ〉 デジタルリマスターのNnのレビュー・感想・評価

4.3
数少ない生きてる好きな監督ダーレン・アロノフスキーのデビュー作、見逃すところでした。危ない〜。
ホエールは見てたけど、written by ダーレン・アロノフスキーは久しぶりに観たので、「そうそうこれこれ!」というキュンキュンが止まらなかった。
レクイエム フォー ドリームからファンになっているので、あの短いショットの連続や、顔の正面で固定した不安感煽る撮影法など、これが原点だったのか〜と堪能した。

そして、素数が大好き人間かつ、オカルティスト大好き人間にとっては最高の主題でした〜。
13時間くらい毎日働いてた時、寝ようとしても仕事のこと考えちゃうから、全く知らない領域のゆっくり解説動画とか見ることで公私を切り分けスイッチにしてたんだけど、
その時に色んな数列とか、定理とか未解決の証明とかの動画見てたり、宇宙と物理の話聞いてたりしてた。
なので、色んな用語とかも知った上で見れたし、「これにバッチリハマり込んだら気持ちいよねー、わかるよー、惹かれるよねー」と主人公側の視点で観れたのは嬉しかった。
πとは違うけど、素数が現れる頻度も未だ法則が見つかっていないし、アートとか含め多角的な検証がされてて、そういう自分の他の芸術体験と重ね合わせて見れたのが良かった。

彼とは少し違うけど私は2桁〜3桁くらいの数字見ると、素因数分解したくなってしまいます。216も、2³•3³だなぁみたいな。
あと、結構発作みたいなの起きるので、そういう描写も共感するところじゃないと思うけど共感もしました。(?)

ビジュアル面でも、監督自身今敏が好きという情報は知ってるので比較的日本のカルチャー好きなのかなと思うだけど、シリアルエクスペリメンツlainのようなあの彼の部屋。
ああいうのも大好物です。
lainでもそうだけど、無機物が自我(エージェンシー)を持ったなら?みたいな不安、こういう時代にかなり人間が敏感だったんだろうな、とこの作中でも感じた。

個人的には、イミテーションゲームでも伝記的に映画化された、アラン・チューリング(←𝑩𝑰𝑮 𝑳𝑶𝑽𝑬)を思い出す話だった。
私はしっかり文系だけど、ゆっくり解説動画とかYouTubeの発達のおかげで色々そういう理系要素のコンテンツに頻繁に触れるんだけど、本当は理系脳なんだろうなーと思う。
けど、きっともし理系に進んでいたら数学や研究以外何もしないで、答えが見つけられるまで、それにだけのめり込むような彼に近い人間になっていただろうなと思う。

ちなみに今はAIが株式予想とかやってるよーってね。フランケンシュタインの誘惑+でNHKで見ました。
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