憑りつかれるのはなぜ。マックスが孤高であったことがその一因かな。共同研究だったらおかしな方向へ舵をきろうとしても誰かが止めてくれる。そうでなくても神の声の解明が複数人であったら選ばれしものという思い込みもなかったかも。一応恩師の忠告はあったけど聞き入れることはなかったのは、恩師に対して挫折した人という見下した思いがあったからなのかもしれない。いっぽうで「π」は恩師が憑りつかれたもので、マックス自身は円周率とは関係のない計算をしていたように思うんだけど、このπがマックスにどうかかわっていたんだろう。そして象徴的に出てくる偏頭痛。これがなければマックスは216桁の解明と神の言葉を見いだせたんだろうか。かなりパーソナルな研究だったのにあのチップを提供した組織との関連は何だったんだろう。そしてそんなチップに頼らなくても研究施設のスーパーコンピュータを利用できれば研究ももっと早く進んだでしょうに、そういった交渉をしてくれる仲間がいればよかったのにね。宗教が絡んできてなんか収拾がつかなくなった感じだったけど、数字に憑りつかれるマックスが狂気に走っていく様は白黒画面がいい効果を出していた気がした。
