原作（未読）の力が大きいのかもしれないが、引き込まれるストーリーだった。「市子」以来、杉咲花の出演映画には注目している。花という名前でいらっしゃるので、女優を花に例えたいところだが、生花である自分自身を素材にしてカンバスに描き付ける絵描きではないかと思う。私は描かれた花を見て魅かれている。
安田と豊原が骨太な大人の魅力を見せながら若い杉咲を挟んでシリアスな緊張を保ったまま、キャリアを超えた奇妙な３人の同盟関係を結ぶのが面白い。
残念に思うのは、ワトソン的な役回りは不要に思えたことだ。彼のファンには申し訳ない。そのせいで平凡なジャンル映画に落ち着いてしまった感がある。
