ぺた

正義の行方のぺたのレビュー・感想・評価

正義の行方(2024年製作の映画)
3.7
『真実は事実をどの角度から見るかで変わっていく』という言葉に触れたことがあった。映画に出てくる当時の証言者たちはそれぞれが信じようとした真実を探していた。映画は当時の声と今の声を辿り紐解くかたちで正義を探す。
そこに正義はあったのか。その本質を探すためにどちらかに偏ることなく事実を探すというのはなかなか難しいということ。
その難しさを、対比される証言を交互に見せられて揺らいだ自分の考えで一層痛感した。

第二次再審請求をされたのが2021年とついこの間のことだったことに驚く。30年、途方もない時間の経過。膨大な資料に囲まれた人の手が映像の中で老いていっていた。
この司法のもとで私たちは今も生きている。果たしてこれは絶対的に信じられるものなのかと私たちは疑うことができる。関心を持つことは、そこに思考と時間を使うこと。それが正義に近づくことだと信じたい。疑うことで私は正義を信じたくなった。巨大な力 思惑 ご都合で傾く天秤の上で生活していると思いたくないから。
すごいドキュメンタリー映画だったな。胆力。
ポスターに惹かれて。
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