海月

MY LIFE IN THE BUSH OF GHOSTSの海月のネタバレレビュー・内容・結末

MY LIFE IN THE BUSH OF GHOSTS(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

おもしろい。
溢れ出す複数性を途中の交差点の長回しと、後半の収斂が支えている。
が、ラストの方で映画内映画撮影みたいなシーンがあり、あれが本当に蛇足だった。
それまでのチャレンジングさがあれで急に白けた。
ところどころにはさまるスマホの画面も意味をなしていたかは微妙。

よかったシーン
・階段のグリコ
階段に対して垂直に構えられたカメラは、人物のフレームアウトともに切り返す。シンプルな切り返しだがハッとした。手すりが効いている。
・ジャングルの中で赤いパーカーを着た女性がタバコをすっている。天にむかって手話をする。虎の咆哮のよう。
・夕暮れ、かなりロングショット。まきばの歌をうたう2人がゆっくりと歩いてくる。橋の上。無意味が大事と言いながら、無意味さをバカにしているというクリティカルすぎる指摘。この会話は群を抜いているとおもった。


ふりかえると前半の編集はちょっと気になる(悪い意味で)会話の切り返しやフレームサイズの変化に必然性があると思えない箇所がいくつかあった。

2.3人ではなく14人というあまりにも多い人数の割にまとまっている。が、14人の複数性はあったか?

複数人でつくることの難しさ。試みとしてはやはり面白い。いろんな意見を俳優に出させて、結局編集は監督がやるというのが数多の演劇でみられる方法であり、もちろん作品の見えはそれでよくなるだろう。果たしてそれは健全か?それに立ち向かっている。映画(表象)の限界も感じた。
映画は表象なのだが、それを割り切るしかないのだろうか。
海月

海月