高齢となり当たり前となってしまった夫婦関係の中で、唐突に妻が亡くなることで始まる物語。主人公の行動一つ一つは理解し難いが、圧倒的な存在の喪失は、無表情な彼の一つ一つの行動から見えてくる。説明を極力排除しながら、想いは伝わる。
台湾のワン・ピンウェン監督とポン・ズーフェイ監督のコンビによる作品。2人がそれぞれ、アート映画とドキュメンタリー出身ということで、良さが上手く組み合わされている印象。高齢の名優2人を主演に据えて、なかなか過酷な撮影を行う肝の座りっぷりも。『遠いところ』工藤将亮監督の質問も良かった。