岩嵜修平さんの映画レビュー・感想・評価

岩嵜修平

岩嵜修平

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アイズ・オン・ユー(2023年製作の映画)

3.5

見事なアナ・ケンドリック初監督作。彼女自身のパブリックイメージも上手く活用した作品になっているが、実話ベースだからこそ、過度にスリリングに見せるシーンの評価は難しい。内容以上に、filmarksの感想>>続きを読む

国境ナイトクルージング(2023年製作の映画)

3.7

フィギュアスケートを通じて #ぼくのお日さま と接続し、偶然の出会いからのロードムービーとして #石がある につながり、死を予感させ続ける一時的な愛の話として #スパハピ につながる。2023年の作品>>続きを読む

ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(2024年製作の映画)

3.8

まさかジョーカーに号泣させられる時が来るとは。ダークナイト三部作や前作からの観客の予想を裏切り続ける2時間半からの、あのラスト。前作の大ヒットからのこれは、トッド・フィリップス、あんた、凄いよ。圧倒的>>続きを読む

Apple Original Films『ウルフズ』(2024年製作の映画)

3.7

ョン・ワッツ監督×ジョージ・クルーニー&ブラッド・ピット主演とくれば失敗しろという方が難しい中で、ちゃんと面白かった。スパイディの経験があるんだから、もう少しアクションの工夫が欲しかったけど、終盤の全>>続きを読む

HAPPYEND(2024年製作の映画)

3.4

批判的意見も見たから、どちらかというと良いところがあれば誉めたい(長編劇映画は初だし)と思って観たけど、終始、嫌悪感。映像としては見る所はあったけど、これを映画として評価できる人は、思想が偏り過ぎてる>>続きを読む

ふれる。(2024年製作の映画)

3.4

秩父舞台の青春三部作は、作品を追うごとにテンションが下がっていったものの好きではあったのだが、本作はガクッと下がった。基本的に高校生までのファンタジーを交えた物語しか書いて来なかった作家が無理してそれ>>続きを読む

シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

3.6

観て良かったとは思うけど、2度と観たくはない。アクション映画としての興奮は無いし、人間ドラマとして人物を深く描くことも無いし、絵面としても今のアメリカの現実と世界各地の戦地の現実の組み合わせに過ぎない>>続きを読む

SUPER HAPPY FOREVER(2024年製作の映画)

3.8

なるほど #石がある と並べて考えたくなる、川の流れや海の流れを感じる映画。前半と後半で時系列は入れ替わるが、赤い帽子視点では、自然に人から人へ流れ続けていく。その流れは残酷にも留まることはなく、人は>>続きを読む

ビートルジュース ビートルジュース(2024年製作の映画)

3.4

ティム・バートンが手癖で思い付くままに作っていったような作品だが、前作を観てたら感じ方も違うのだろうか…。『ウェンズデー』のような魅力的なジェナ・オルテガを期待しただけに普通の役で残念だった。これが現>>続きを読む

憐れみの3章(2024年製作の映画)

3.6

『哀れなるものたち』ヒットの褒美で、ランティモスの思想から来る「物語」を実体化したのであれば、アリ・アスターの『ボーは…』に通じるような。観てて楽しくは無いが、観たことのないものを観れた興奮はある。と>>続きを読む

ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ(2024年製作の映画)

3.6

アクションはとにかく凄い!日本映画でトップ級に興奮するアクションが出来てると思うし、工夫はハリウッドにも引けを取らない。ただ、相変わらずドラマパートが…。味なのは分かるが、内輪っぽい冗長な会話は観てい>>続きを読む

ほなまた明日(2024年製作の映画)

3.7

ndjcで観て以来、次回作を楽しみにしていた道本咲希監督の長編が観られて嬉しいし、その出来が素晴らしかったので更に嬉しい。才能を持つ人に嫉妬した経験がある人は誰でもグッと来てしまう一本。才能を持つ人の>>続きを読む

Cloud クラウド(2024年製作の映画)

3.7

なるほど、Chime×蛇の道であり、 #ベイビーわるきゅーれ だ。これがアカデミー賞候補は驚きだけど、面白いことは間違いない。あと、転売ヤーの虚無感を描くなら黒沢清のテイストはぴったり。安易な批判では>>続きを読む

西湖畔(せいこはん)に生きる(2023年製作の映画)

3.5

前作を観てない人間としては、自然豊かながら限られた特産品に住民たちが依存する中での複雑な人間関係を映した序盤は楽しめたのだけれど、途中から、あるある過ぎる話で退屈になってしまい、終盤は予定調和にはなら>>続きを読む

ぼくが生きてる、ふたつの世界(2024年製作の映画)

3.8

素晴らしい。こんなに劇伴の印象が無い映画は久々。ろう者の親と聴者の子を描いた映画ながら、決して台詞が少ない訳では無いが、説明台詞は削られ、会話と表情で関係性を理解させる。無音の使い方も凄い。音の無いシ>>続きを読む

侍タイムスリッパー(2023年製作の映画)

3.6

事前の評判から想像した作風とは違った。所謂、地方映画のテイスト。観たことない俳優の中に、所々、バイプレーヤーが居る。演技や演出は、20年代の邦画と違う。でも、それが、現代における時代劇の立ち位置を描く>>続きを読む

ぼくのお日さま(2024年製作の映画)

3.7

【2回目】
早速2回目をヒュートラ渋谷シアター2で観て、見やすくはなったが、評価は変わらず。ああいう少女も先生も不自然ではなく、時代背景(自然に車のカセットから洋楽をえらぶ少年の描写よ…)を考えると、
>>続きを読む

アル中女の肖像(1979年製作の映画)

3.5

正直わからなかった。でも、昨日『ブレインウォッシュ セックス-カメラ-パワー』を観たおかげで、メイルゲイズ(男性のまなざし)に囚われていない、70年代では珍しい映画であることは分かった。そして、映画と>>続きを読む

ブレインウォッシュ セックス-カメラ-パワー(2022年製作の映画)

3.6

必ずしも同意できる話ばかりでは無かったけれど、全ての映画関係者や映画ファンが眼差すべきだと思う。「映画の視覚言語」と「雇用差別」と「性的搾取」の関係性。業界内に歴然と存在する性差別。偏った男性視点で描>>続きを読む

とりつくしま(2024年製作の映画)

3.8

期待を超えて素晴らしかった。東かほり監督(そして東直子先生)だからこその視点と描写の優しさに胸が熱くなりっ放し。魂のとりつくしまとしての物。生者と死者の視線は物を通じて交錯する。金子由里奈『ぬいぐるみ>>続きを読む

石がある(2022年製作の映画)

3.9

こんな映画が公開されるんだという喜び。何気ない日常に宝石は隠れている。面白いものを探しても大抵は面白くない。ハードルを下げて、何気なく出会ったものが面白いと、感動は尚更。何気なく、この映画を観た人が羨>>続きを読む

ナミビアの砂漠(2024年製作の映画)

3.9

流石の山中瑶子監督×河合優実。137分、特別なことがほぼ起きなくても、こんなに目が離せずに、面白くあり続けられるのかという驚き。表情も行動も、主人公は全てを観客に見せているのでは?とすら思わせるのに、>>続きを読む

きみの色(2024年製作の映画)

3.7

2回目を何も考えずに轟音上映で観たら、かなり評価が上方修正された。なるほど、めっちゃハイコンテクストな映画なのな…。1シーンも無駄なく、細かい所作に意味があり、人が、関係性が描かれる。しかも、観たまま>>続きを読む

マミー(2024年製作の映画)

3.7

まず、ドキュメンタリーとして無類に面白いので、和歌山毒物カレー事件の当事者以外で、事件に興味がある人はみんな観た方が良いと思う。本作は、事件に関わった人達だけでなく、メディアや司法や警察の在り方も問う>>続きを読む

モンキーマン(2024年製作の映画)

3.4

ジョーダン・ピール製作からの期待とは全然違う映画。韓国アクション映画のインド版リメイクと言った感じで、インドならではの宗教的なアレンジはありつつも、設定も展開もアクションの見せ方も既視感があるものばか>>続きを読む

ソウルの春(2023年製作の映画)

3.8

恥ずかしながら、韓国近現代史をちゃんと把握していなかった一人として、ラストには非常に驚かされた。こんなに暗澹たる気持ちで終わる映画も久々。改めて、韓国は凄まじい時代を乗り越えて来ているのだなと。それを>>続きを読む

ラストマイル(2024年製作の映画)

3.5

『アンナチュラル』好きとしては肯定したいが、『MIU404』今ひとつ派としては複雑。あまりにマーケティング的な狙いが見え過ぎる内輪向きなキャスティングも好ましくはない。内容以前に、マイナス要素が多過ぎ>>続きを読む

フォールガイ(2024年製作の映画)

3.7

やっぱり、この手の映画に必要なのはユーモア。どれだけアクションが凄くても、笑いが無いと厳しい。その点、今回、デビッド・リーチ監督がワイスピに続いて組んだドリュー・ピアースの脚本は素晴らしかったのでは。>>続きを読む

ブルーピリオド(2024年製作の映画)

3.5

映画としてのテイストは好き(オープニングは最高!)だけど、原作が好き過ぎるからか、残念な実写化に入るかな…。吉田玲子脚本は的確に原作の要素を切り抜いてると思うけど、あまりに省略された要素が多過ぎる。2>>続きを読む

Chime(2024年製作の映画)

3.8

やはり黒沢清はとんでもない。起きることは荒唐無稽に思えるが、リアルから外れない。現実のまま、登場人物たちが逸脱していく。いや、映画が始まる前から「もうとっくにダメです」なのかもしれない。ある人物の異変>>続きを読む

ツイスターズ(2024年製作の映画)

3.7

ザ・アメリカ映画。アメリカしか作らない、現代のアメリカでこそ作られるべき映画。アメリカ生まれの韓国系二世リー・アイザック・チョンが、女性科学者を主人公とした多思想・多国籍なチームを描いたこと。にも関わ>>続きを読む

インサイド・ヘッド2(2024年製作の映画)

4.1

現ピクサーの核ことピート・ドクター監督による傑作の前作から、監督交代して、大きなハードルを更に越えての大傑作。これだけ複雑で深みある設定を誰でも楽しめて感動できる作品にまとめ上げるチーム・ピクサーに感>>続きを読む

めくらやなぎと眠る女(2022年製作の映画)

3.6

英語版
村上春樹作品をそこまで通ってない身としては変な映画だとは思うが、アニメならではの表現によってギリギリ、リアリティを保っている印象。序盤で登場人物の脳内を表象することによって、全ては彼らの妄想で
>>続きを読む

ロイヤルホテル(2023年製作の映画)

3.6

オーストラリアで金が無くなったカナダからの女子学生2人がワーキングホリデーで行ったパブが、古き悪き飲み屋で…というホラーの導入として有りそうな設定が、まさかのドキュメンタリー原作。キティ・グリーン監督>>続きを読む

台北ストーリー(1985年製作の映画)

3.6

『台北ストーリー』[4Kレストア・デジタルリマスター版]台湾巨匠傑作選2024
なんだ、このハナコ秋山×かまいたち山内×時任三郎みたいな男は…と思ったら若い頃の侯孝賢か…!バカ真面目ときどきクズな男と
>>続きを読む

デッドプール&ウルヴァリン(2024年製作の映画)

3.7

まさかデップーがMCUの救世主になるとは思わなかった。あんな荒技が出来るのはデップーだけだし、その横に、表で数奇な歴史を歩んできたローガンも必要。MCUに必要だったのはユーモアと隣人への愛。ウォークカ>>続きを読む