このレビューはネタバレを含みます
『クワイエット・プレイス』×『死ぬまでにしたい10のこと』的な面白い設定。上手いこと考えるなと感心した。
ホスピスに入院している終末期患者に突如訪れた世界の終わり。主人公は末期癌なので生き残ることに執着はない。脱出船に背を向け、死ぬ前にやり残した事「父との想い出の地を辿る」を叶えに行くロードムービー作品。
1作目の『クワイエット・プレイス』は既に「生き残った者たち」の話なので、確かにこの設定は前日譚でしかできないかも。「どうサバイバルするか?」が肝のシリーズでこの切り口は面白い。
クライマックス、成り行きで旅の道連れになった英国人男性を脱出船まで導き、飼い猫のお世話を託して、誰も居なくなった街を颯爽と歩く主人公、そこに最後に高らかに響くニーナ・シモンの『Feeling Good』という締めもスマートで格好良くて痺れた。
「It's a new dawn. It's a new day. It's a new life for me. And I'm feeling good
(新しい夜明け、新しい日、私のための新しい人生よ、最高の気分!)」