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クワイエット・プレイス:DAY 1のMALPASOのレビュー・感想・評価

3.4
映画『クワイエット・プレイス

人気シリーズ前日談。「音を立てたら死ぬ!」という、これまで誰も思いつかなかったスーパー・アイデア。1作目はテキサス・オースティンのオシャレな映画館で観た。台詞もほぼ1シーンしかなく、英語を訳しながら観る必要がなかった。

今回は「はじまりの日」の話。監督は傑作『PIG ピッグ』のマイケル・サルノスキに交代。生みの親ジョン・クラシンスキーは製作・脚本。

詳しい説明はないが、全身がガンで侵されていて余命わずかと思われる主人公サミラを演じるのは、ルピタ・ニョンゴ。彼女の迫真の演技が素晴らしい。ややもすればB級映画とも言われかねない題材に、アカデミー級の演技で臨む。他の役者も猫も素晴らしい。これがハリウッドのすごさ。

もちろん1作目のインパクトはないけど、ホラーSFに余命恋愛要素を加え、バランス良く作られ、パワーアップしている。人々が音を立ててはいけないことに気づくところをもう少し丁寧に描いて欲しかった。あのエイリアンが何かは今回も描かれない。前日談にありがちな、後よりも怪物がパワー・アップしている。

主人公の相棒はネコ。全く泣かないくらい訓練を受けているが、これはどうやらセラピー猫。字幕は「介護猫」となっていたが、英語では「service cat」と言ってる。予告はなぜか「別にいいでしょ」に訳されていた。

ジャイモン・フンスーが登場。2作目に繋がる。

雷の中、叫ぶシーン、映画『キャバレー』でライザ・ミネリが高架下で叫ぶのを思い出す。

主人公の心情に繋がる、エンドロールに流れるニーナ・シモンの♪Feeling Good

最近よく「安楽死」が話題だけど、「死にたい時に死ぬ」という事に、僕は賛成。何かに行き詰まって自殺とは違う。老いて、身体もろくに動かない状態。自身の身体が回復出来ない病や痛み、苦しみ続けるなら死んだ方がマシではないかと考える。いわゆる「生かされている」という状態の場合。ダメかね?
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