パイルD3

クワイエット・プレイス:DAY 1のパイルD3のレビュー・感想・評価

4.0
世界が一斉に音を出せなくなるという異常事態を、スリリングに体験させるという大好きなシリーズなので、配信までとても待てなくて観てきました。

一言で言うと…こんな感想は無いとは思いますが、私はフロドというニャンコちゃんに心を鷲掴みにされてしまい、どうにもたまりませんでした。
そしてこんな作品ですが、今年映画館で何十回目かの感涙をしてしまいました。

《どんな映画…》
異星人襲来型のSFと、音を出したら死ぬという緊張感と恐怖が延々続くスリラーを融合させたアイデアが秀逸で、感触は「クローバーフィールド/HAKAISHA」を思わせる映画です。

「エイリアン」を、何とか地上で人類全体を相手に展開したい!といろいろ思案投げ首を尽くした末に生まれたような筋立てです。

《シリーズの約束事》
シリーズの前2作を観ていれば、起こっていることの約束事はいやというほどスムーズに理解出来ますが、この3作目をいきなり見ると、音に関する設定を飲み込むまではチョッと追っ掛け気味になるかも…というくらい、一気にいろいろぶつけてきます

監督は前2作で監督と出演も兼ねていたジョン・クラシンスキー(最新監督作「ブルーきみは大丈夫」)から、ニコラス・ケイジの「PIG/ピッグ」を撮ったマイケル・サルノスキに引き継がれました


【クワイエット・プレイス:DAY1】

第2作「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」の冒頭、草野球シーンの前に挟まれる字幕の“DAY1“(第1日目)が、今回タイトルにくっついているように、引き続き登場する白ヒゲの黒人ジャイモン・フンスーが前作で話していたニューヨークが壊滅的な状態になる、シリーズのデフォルトストーリー。

舞台はアメリカ東北部、アパラチアの田舎町から、いきなり大都会ニューヨークへ移動

そんなニューヨークで猫と暮らす重病を持つ女性(ルピタ・ニョンゴ)と、途中で知り合う法律勉強中のイギリス人(ジョセフ・クイン)が、大都市を占拠する殺戮者の群れから逃亡のサバイバルを余儀なくされる…

《ドラマの情緒》
当然ながら設定と仕掛けは変わらないので、回を増すごとにドラマ性が高まってきて、巻き込まれた人物たちの想いやキャラクターがよりしっかり描き込まれている。
ギスギスした怖さに苦しんだ第1作、2作からすると、苦難の中での連帯感や、相手を想うやさしさが随所に登場する。

逆に、今作にはシリーズのホラー味や緊迫度が物足りないと感じる人たちはいるようだ。
私は特に不足感はなかったが。

《ワンニャン》
音を出せない事態を理解しているらしき?賢察眼に秀でた猫のフロドは、ハラハラさせながらも緊張を緩和する大事な役割を果たしている。

(主演のルピタ・ニョンゴは実は猫恐怖症で、キャットセラピーを受けて抱っこ出来るようになったらしい。)

今年は脇役のワンコやニャンコの光る映画が多い…「ゴッドランド」「シス不死身の男」「落下の解剖学」「関心領域」「枯れ葉」「瞳をとじて」「アーガイル」「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」…どれも印象深い。


◾️雑記 『オッペンハイマー夫婦』の件

シリーズの2作目「〜破られた沈黙」は、キリアン・マーフィーがいい活躍を見せる。で、主演はエミリー・ブラントなので、オッペンハイマーの予行演習そのもので息も合っていた。

『パッツイーズ』
ところでハーレムのピザの老舗パッツイーズは実在する人気ピザ店。
私はパッツイーズには入っていないが、このエリアへは行ったことがある。
BARで瓶ビールを飲んで、ラベルが可愛いので空き瓶ごと持ち帰った
パイルD3

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