転売ヤーが主人公。
あらゆるところで恨みを買い、
後半それが爆発する。
正直観終わった時の感想は
「疲れる映画だったな..」と重く感じた。
けど時が経つにつれ、
どんどん引き込まれてることに気づいた。
<転売ヤー>
自分で「仕入れて売る」。
字面だけで見ると大して悪いことじゃ無い。
しかし、
それが世界中で行われるようになり
「欲しいから買う」ではなく
「売れるから買う」って奴が爆増。
欲しかったものが適正な価格で買えないことが一気に増えた。
「モノの価値」がおかしなことになっている。
転売ヤーが世界を狂わせている。
そう言っても過言では無いくらい、
浅ましい存在である。
けど、自分も一歩間違えば
転売ヤーみたいになってても
おかしくないかもと思った。
懸命に働くことがバカらしくなったり
試しに転売したらめっちゃ儲かって
その道に夢中になって
自分でもやればできるじゃんと錯覚する。
世間のことなんてどうでもいい。
自分が儲かれば。
そういう思考に至る要素がいっぱいの現代社会。
決して擁護するわけではないが
人として、こうなっちゃいけない
という目線で見るとすごく面白かった。
主人公が無意識に人を見下してる感じ。
じわじわと人の恨みを買う感じ。
隙がありすぎる感じ。
存在がムカつく感じ。
菅田将暉の演技が凄かった。
後半、主人公を拉致って殺そうとする奴らも
総じてクソってのも面白い。
上手くいかなかったことを主人公のせいにしている。
マイナスのエネルギーが満ち溢れている。
チームワークが全くなくてグダグダなのもリアル。
命狙われてるのに
転売商品のことや売れた金額を気にしたりと
完全に頭が狂ってる主人公。
そしてあのラスト。
合成臭い不気味な黒い雲が印象的。
「ここが地獄の入り口か」。
最後まで会心することなく地獄に進むってのも面白い。
少し荒目の綺麗すぎない映像が凄く良かった。
<ストーリー>★4
<キャラクター>★5
<ビジュアル>★4
<音楽>★3
<好み>★4
÷5=合計★4