さとむぎ

ルックバックのさとむぎのレビュー・感想・評価

ルックバック(2024年製作の映画)
4.3
原作の1ファンとして
劇場公開を待ち侘びた本作
控えめに言って、これは…最高じゃあないっすか…

劇場版オリジナルの要素は入れず
あくまで原作を忠実に、60分で映像化したのは英断だと思う。
なにせ、原作が完成され過ぎているので
下手に継ぎ足すより、原作の良さを研磨するのが最適解ですよね。

主人公である藤野が描く4コマ漫画が
アニメーションとして生き生きと動き出す様子、
藤野の漫画原稿を読んで目を輝かせる京本の瞳の描写、
穏やかで残酷で愛おしい藤野と京本の物語を後押しするように
バックで流れる劇版の美しさ、
映像作品だからこその良さが加算されて
『ルックバック』という傑作が、さらに昇華されていく様は圧巻です。

田舎町で漫画家を目指す少女2人に焦点を当てた作品なので
派手な演出や、あっと驚く展開は無いですが
心に刻まれるシーンが多く
大いに気持ちをかき乱される作品なので、
ぜひ劇場公開しているうちに、多くの方に観ていただきたい。
藤本タツキの魅力に世界が気づいてしまう…
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