フェデ・アルバレス監督の『エイリアン』リブート。
『死霊のはらわた』を思い起こさせるアルバレス監督の手堅いリブート手法。教典である『エイリアン』『エイリアン2』の魅力を的確に抽出し、現代のSFホラーアクションとして仕上げている。尚且つ、『プロメテウス』『コヴェナント』の要素も取り込んでおり、シリーズファンには楽しい作り。
ゼノモーフに脅え、絶望する時間が大事に作られていたのが良かった。シンプルにエイリアンに恐怖する時間が長い。その意味で静寂→ジャンプスケアの応酬にも意義が感じられた。ゼノモーフの生態をじっくりと接写してくれたのも良く、神々しくも醜悪な存在感は表現しきれていたように思う。対する新規キャラクターの造形も禁忌を犯した冒涜感が強調されていて素晴らしかった。
ゼノモーフとの攻防戦が「無重力下」となることでアクションが一気に立体的になる瞬間はかなり気持ちよかった。